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登録日:2016/10/28 (金) 22 59 00 更新日:2024/01/25 Thu 23 32 31NEW! 所要時間:約19分で読めます ▽タグ一覧 アニヲタ悪魔シリーズ アニヲタ神様シリーズ ギリシャ神話 ギリシャ神話界のダークホース ソース集めの難儀な神様 トリカブト ヘカテー ヘカーティア・ラピスラズリ ラミア 三位一体 三叉路 三相女神 何故かなかなか立たなかった項目 冥府 冥府の女王 冥府の姫 冥界の女王 十字路 地獄の雌犬 大地母神 太古の女神 女王 女神 女神転生 女魔術師の守護者 安産祈願 完璧超人 悪魔 月の神 死者たちの王女 無敵の女王 犬 神 蛙 豪傑? 闇神 雌犬 霊の先導者 頂の座 魔女 魔女たちの女王 魔術 魔術の神 黒い山羊 この御方に クロノスの御子ゼウスは他の者たちに抜きんでた栄誉を与えられたポセイドンが獲物を授けようともヘルメスが家畜を与えようとも彼女はそれに勝るものをたやすくさずけたりそれらを造作も無く奪われたりもなさるのだその気ひとつで 気まぐれにお気の向くままに ― ― ヘシオドス「神統記」 ヘカテ頌(しょう)より抜粋 ヘカテー(Hecate)(*1)とはギリシャ神話に登場する女神である。 冥府神であり月の女神、そして魔女たちの長としても有名。 しかし実際はギリシャ神話成立よりもさらに古くから存在し、現代にいたるまで独自に信仰を集め続けてきた類まれな女神。 【概要】 ヘカテーはギリシャ神話の女神として広く知られている。 オリュンポス十二神ではないものの、後述するようにかなり優遇されている女神でもある。 魔術とその行使者、そして産婆の守護者であり、月と闇・幽霊・豊穣・罪の贖(あがな)いと浄め・出産を司る。 名前は日本語では「ヘカーテ」や「ヘカーティ」とも表現されるが、原文の発音に近い「ヘカテー」がメジャーである。 名前の由来は諸説あり、アポロンの別名ヘカトス(Hecatos 遠くからはたらきかけるもの)の女性形とも 古代ギリシャ語で意思を意味する言葉、さらにはエジプト神話のカエルの姿をした女神ヘケト(Hecete)とも 言われているがどれが本当の由来かは未だに不明である。 多くの別名を持つことで知られており、「ラミアの母」「霊の先導者」「女魔術師の守護者」「死者たちの王女」「無敵の女王」「女救世主(ソテイラ)」、 カトリックからは「冥界の女王」「魔女たちの女王」「地獄の雌犬」という数々の厨二病じみたあだ名を進呈されている。 象徴はナイフ(助産術の象徴)、犬、牝馬、蛇(不死の象徴)、松明、くぼみのある自然石。 また彼女を象徴するとされる花は、ケルベロスとも関係の深い事で知られるトリカブト。 【経歴】 ヘカテーは非常に長い歴史を持つ女神で、かつ現在に至るまで信仰され続けており しかもその経歴の中で多数の神々を取りこんできたため時代ごとの変化が非常に大きい。 なので便宜上ここではヘカテーの経歴を4期に分けて解説する。 ○ギリシア神話以前のヘカテー ヘカテーはギリシア神話の神として有名だが、その起源は女神信仰発祥の地といわれるアナトリア半島(現代で言うトルコ近辺)で信仰されていた神である。 それが紀元前6~5世紀ごろにギリシャ神話に取り込まれたものとも言われているが、 エジプトで初期王朝時代(BC30世紀ほど)より信仰され続けていたカエルの女神ヘケトが原型だという説も存在する。 ただ当のアナトリア語が既に死語となってしまっている上に資料そのものが少ない為、真実は謎のままである。 ○ギリシア神話のヘカテー ・血統・血縁について ギリシャ神話におけるヘカテーは、古き神ティターン神族の直系とされる女神である。 ペルセースとアステリアの娘にしてティターン神族の末裔の一人でありアルテミスとは従姉妹の関係でもある。 ただしいくつかの異説があり、ゼウスとデメテルの娘、コイオスとポイベの娘、 あと夜の女王ニュクスの娘であるという説もある。 またアルテミスと同様、配偶神を持たない処女神であり夫・子供は存在しない。 …しないはずなのであるが、魔女の守護者であるためか数多くの魔女の母と同一視されることが多い。 有名なところではスキュラの母クラタイイス、キルケーの母ペルセーイスとメディアの母エイデュイアなど。 あとなぜか海の神との関係が深く、スキュラの父ポルキュスや、一説ではトリトンを愛人とするともされる。 またヘシオドスの名婦列伝では出自が異なっており、アルテミスの怒りを鎮めるために生贄に捧げられたミケーネの王女イーピゲネイアが、 彼女の毅然とした振る舞いに怒りをおさめたアルテミスによって救い出されヘカテーとなったと言われている。 ・神性・神格について ヘカテーの神性として代表的なものはまず第一に死者を導く冥府神、そして月と闇夜の女神、 大地の恵みをもたらす母神、そして魔術とそれを扱うものの守護神である。 しかし前述のとおりオリュンポス十二神には選ばれておらず、 彼らやそれに並ぶ神々よりは一歩譲る位置にいるような描写が多い。 冥府神の一柱としては冥王ハデス、冥妃ペルセポネに次ぐと言われる。 格は諸説あるがハデス ペルセポネ ヘカテーの準に格が高いというのが有力であり、 某ジャンプ漫画の魔界三大勢力筆頭である雷禅、躯、黄泉風に言うなら この三柱の神で三大冥府神を形成しているといってもあながち間違いではない。 つまるところ冥界のビッグ3であろう。 しかしヘカテーは「ハデス夫妻の侍女」として扱われることが多く、この二人とは厳然たる格差がもうけられている。 冥王たるハデスは無闇に冥府を離れず助言や道具の貸与・人員の派遣という形で他者とかかわる事が多いが ヘカテーはその指示を受けて実力を行使したり冥界の亡者や魔物を直接統括したりする、 いわばハデスの切り札・懐刀といった立場にある。 平時は配下の妖精ランパスらとともに松明を手にして冥界を照らし亡者を導くほか、 冥府の刑罰を執行する実働部隊である復讐の女神エリニュスを配下に置く。 その他にも配下・眷族とされる魔物の数がやたらと多い。 そして主命とあらば自ら戦場に赴き、敵を冥界の業火で焼き尽くしてのける(詳しくは後述) 月の女神としては満月を象徴するセレネ、満ちゆく月・三日月を示すアルテミスと並び 欠けゆく月・新月を司ると言われている。 ただ前の二人ほどには月の女神として有名とは言えない。 大地の恵みをもたらす母神としては、特に出産に関してあらかたなるご利益をもたらすとされる。 ただその出産に関してもヘラ・アルテミス・エイレイテュイアら出産の女神たちほどメジャーではなく 母神としての格式では前述のペルセポネ、そしてその母デメテルにはとても及ばない。 唯一、魔術及びその使い手の守り神としての立ち位置はギリシャ神話の中でも特別で、他の神とは一線を画している。 数々の高名な魔女・魔術師たちの守護者として扱われ、後世の「魔女たちの女王」という立ち位置の源となっている(後述) ただその序列のわりには不自然なほど格上として扱われるエピソードが多いのも彼女の特長。 血統としてはティターン神の末裔でその栄光を引き継ぐものとされ、 その力は天上・地上・地底の三界にまたがるほかポセイドンの領域である海上にまで及ぶとされる。 後述するが神話や伝承の中でも凄まじい実力や特別扱いを思わせる記述が多い。 ギリシャ神話では外様の神なので格付けでは一段下に置かれたものの、大衆からの人気・支持・信仰は絶大なものがあったということなのだろうか。 ・神話・伝承について ギリシャ神話でのヘカテーは、基本的には冥王ハデス・冥妃ペルセポネ含めた12神や英雄たちをサポートするような役回りが多い。 その中でも一番有名なのはハデスによるペルセポネ誘拐の際のエピソードだろう。(詳細についてはこちらを参照のこと) 娘の行方が知れなくなったデメテルは、娘が何か悪いことに巻きこまれたのではないかと危惧した。 そんなデメテルは「悪いこと」にかけては他のどの神よりも詳しい、闇と罪の女神ヘカテーを頼る。 ヘカテーはペルセポネの叫び声を聞いていたが、姿までは見ていなかった。 デメテルはヘカテーに松明を借り暗闇のなかを片隅まで探すが、娘の姿はどこにも見当たらなかった。 途方にくれたデメテルにヘカテーは太陽神ヘリオスを頼るように助言する。 そのとおりにしたところ、果たせるかなヘリオスはニューサの野原で白昼堂々と行われた誘拐劇を目の当たりにしていた。 娘をかどわかしたのがハデスであることを知ったデメテルはすべてを理解し、日(ヘリオス)と月(ヘカテー)を連れてゼウスのもとへと向かったのである。 しかしなんだかんだでペルセポネが正式にハデスの妃として冥府に降り立ったときはヘカテーが侍女として傍に付き添い、そのまま冥府の怪物や魂達の女主人というポジションにおさまったということになっている。 ハデスとペルセポネの出会いの物語は、ヘカテーの冥府入りのエピソードでもあるのだ。 また、ヘラクレス誕生を手助けしたためにヘラの怒りをかいイタチに変えられてしまったガランティスを憐れんで自身の守護獣にするという厚遇で迎え入れたという逸話もある。(詳細はこちらを参照) ヘラにエイレイテュイアさらにはモイライと、出産にかかわるすべての神にうとまれたガランティスにひとりヘカテーだけが手を差し伸べたのだ。 あとアルゴナウタイではコルキスの守護神にしてメディアの信仰する神として登場し、実際に召喚されて力を貸したりしている。 またトロイアの女王ヘカベーはヘカテーの巫女とも化身とも言われている。 オデュッセウスに奴隷としてさらわれた彼女は犬に化けて逃げ出し、彼に苦難がふりかかるよう呪いをかけた。 これがオデュッセウスの長い漂泊の旅の引き金になったのだという。 またアテナがアラクネを蜘蛛に変えた際には「ヘカテーの薬草の汁」を振りまいたとされる。 しかしそういった裏方の役割にとどまらず、絶大な実力をうかがわせる強烈なエピソードも同時に持っているところが彼女の独自性。 その中でも最たるものは巨人たちとの宇宙の覇権をかけた争い『ギガントマキア』参戦の際のものだろう。 「神の力では殺せない」巨人(ギガス)たちに対し12神たちが遠くから弓矢を射たり島や山などを投げつけたりして動きを封じる中、 冥王ハデスの命により主に代わって参戦した彼女は冥界の火をともした松明を手にギガスの一体であるクルティオスを 真正面から焼き殴り倒すというとんでもない活躍を見せた。 とどめこそヘラクレスに刺してもらっているが、オリュンポス十二神以外でギガスを倒せたのは多数参加した神々の中でも これも青銅の棍棒を手に真正面から巨人に挑み圧倒した「時間」を司る三姉妹の女神モイライと彼女のみ。 また、上述したガランティスのエピソードにしても、見方を変えれば怒りに燃えるヘラでさえヘカテーのやる事に関しては沈黙せざるを得ないという、ヘカテーの強大さが露になった話であるとも取れる。 ヘラの怒りを(しかもゼウスの浮気絡みである)買った者を眷属として取り立てるなど、ヘラに喧嘩を売るに等しい行為であるにも関わらず、恐れる様子もなくそれをやってのける。これもまたヘカテーという女神の底知れなさの一端を見せたエピソードといえよう。 ちなみに冥府神になった経緯は、天界で出生したときのヘカテーの魔力に神々が恐れをなし、 アケロンの河に投げ入れ冥府に流れ着いたからという逸話もある。(*2) なおヘシオドスの神統記ではまるまる一章使ってヘカテーへの賛辞が述べられている。(冒頭文参照) それによるとゼウスによって天界、地上、海洋の全てで自由な行動権を与えられており、人間にあらゆる分野での成功を与え、 他の神に祈る前にヘカテーに祈っておけばご利益が増すとも書かれており、オリュンポス12神でないにもかかわらず、優遇されている。(*3) ・信仰の対象としてのヘカテー 彼女を表すとされた像は、背中合わせに張り付いたような三面三体の女人像である。 この像は日本の道祖神のように三つ辻に、それぞれの道の方向を向くように安置された。 そして新月の夜には伝承通り手にした松明に火がともされ、これも道祖神と同じように旅人が旅の安全を祈願する場となった。 これはヘカテーが夜の十字路や三叉路に姿を現すと伝えられていたからである。 古来より十字路や三叉路に精霊が集まる為と言われており、古代人はそこで集会を開き神々を傍聴人としたという。 冥府を照らす彼女の灯火は、そのまま暗い夜道を照らす明りとなり、またこれから死にゆく人を冥府まで導く灯火ともなった。 このため彼女は三叉路を意味するトリウィア(Trivia)という言葉を冠して呼ばれることもある。(*4) またこの姿から「三位一体」が彼女を示す一つのキーワードとなり、他の神々を次々と取りこんでいくことになった。(後述) 彼女へのお供え物は卵や黒い山羊(冥府神なので黒い獣が捧げられた)・タマネギ・魚で、貧民達の食料とされた。 (これらの供物は「ヘカテーのご馳走」ともよばれる) また彼女への供物として、家の戸口に鶏の心臓と蜂蜜の菓子を供える風習があったという。 また出産を司るため、彼女に祈れば陣痛を和らげられ、安産できるとも言われた。 あとギリシャの穀倉地帯テッサリアでは、彼女を信仰する巫女たちが彼女の力を使い魔女の薬を作っていたと言われている。 一説では彼女らは血なまぐさい儀式を行っていたともされ、「ラミアの母」「魔女たちの女王」という伝承の基になったと言われている。 ○中世のヘカテー ・魔女たちの女王 中世において欧州全土でキリスト教の布教が進んだが、その当時ギリシャの神々はすでに信仰の対象から外れており 神話・物語の中だけの存在となっていた彼らは教化の妨げとして問題視されることは無かった。 その中でヘカテーは中世でもなお魔術やその行使者・そして産婆たちの守護者としての信仰を集めており また他のギリシャ神話の神やルーツとなるアナトリアの神々のように生贄を要求することもあったため それらを忌み嫌うキリスト教からは異教の神、デーモンとして迫害されることとなった。 そして彼らから彼女に進呈された異名が「魔女たちの女王」である。 デーモンとしての彼女は犬、獅子、馬の三つの頭を持ち地獄の猟犬を引きつれた異形の女神として描かれた。 「地獄の雌犬」とは、この姿のヘカテーに対する蔑称である。 また生贄としてカエルを要求したと言われ、ヘケトの影響を受けていた可能性もある。 しかし異端として迫害されながらも彼女への信仰は細々と続けられ、現代へと至ることになる。 ・ワイルドハントの首領 欧州全域に伝わる妖精、妖怪、精霊、魔女、死者で編成された狩猟団「ワイルドハント」。 兵隊の構成種族も代わり、ドラゴンや悪魔、トロールなども加わる事がある。 そのリーダーの一人としてヘカテーの名も挙げられている。 北欧神話とヨーロッパ各所の伝承で出現した軍団の集合体のような組織だと思ってもいい。大体一緒くたで扱われる。 活動場所はヨーロッパ全域で、地域によって率いる者が変わる。支部長みたいなもんだろうか。 ・日本での紹介 日本では江戸時代後期の蘭学者・山村才助の著作である「西洋雑記」にその名を見ることが出来る。 この本ではディアナ・アルテミスのもう一つの姿、呼び名としてヘカテーが紹介されている。 彼女らは地獄及び現世と天上を統べる神であり、「此神神通廣大」などの仰々しい表現までされている。 西洋、東洋で地獄が分かれているという認識では無いらしく、ヤマ(閻魔)よりもやばい神様のような扱いにされている。 見様によっては三相の力でヤマも兼任してる節がある。 また何故かヘカテーは三相の力でアテナや月そのものと合体しており、この時点で大分よく分からないモノに変貌している。 ちなみに当時の日本ではカタカナで「ヘカッテ」と呼ばれていたらしい。 ○近世~現代のヘカテー 現在ヘカテーは慈悲深い母神というよりは冥府の女神・魔女の王といった、禍々しい存在としてのイメージが強い。 しかし近現代の多神教的信仰・女神崇拝の再評価という流れの中、 ウイッチクラフト・ウィッカと呼ばれる現代魔女信仰者たちの信仰の対象となり 発祥から数千年の時を経て今なお魔術とその実践者たちの守護者として存在し続けている。 【解説】 ○起源について 前述したが、彼女が本来どのような女神であったかは明らかにされていない。 起源である古代アナトリア語がすでに死語化しており、発掘物などの資料も少ないためである。 しかし確実なのは、神の力が及ばないはずの巨人を真っ向からねじ伏せる力を秘めた恐るべき女神でありながら、 一方で暗い夜道に明かりをともし、貧しい人々に精のつく食料を与え 死にゆく人々をその手の松明で導き、求めるものには知恵と力をさずけ なにより女性にとって何ものにも代えがたい喜びであると同時に避けがたくこらえがたい苦痛でもある出産に際しはるかな高みから直接助けの手を差し伸べ寄り添ってきた、 市井に暮らす人々にとって最も近しい神でもあったという事実である。 そうであるからこそ彼女ははるか古代から現代に至るまで、弾圧を受けた時期もありながらも信仰の対象でありつづけたのだろう。 最も古き神の一柱にしていまなお信仰を集め変化し続ける類まれな神性として。 ○三位一体について 古代アナトリアでの女神信仰において、女神は3つの相を持つとされた。 すなわち躍動する生命力を体現するうら若き乙女、慈愛にあふれる成熟した母親、 そして知恵をたくわえ死を暗示する老婆の三相である。 三面三体のヘカテー像もこの考え方に基づくものであり、乙女:ヘベ、母親:ヘラ、老婆:ヘカテーの三相で表されていた。 そしてその後も数々の女神の老婆の相、闇の部分として同一化されるようになっていったのである。 彼女の代表的な神話であるペルセポネの略奪においても、ヘカテーはデメテル・ペルセポネ母娘にとってもっとも近しく頼れる存在として登場する。 また、デメテル自身もヘカテーのように松明を持ち闇の中をさまよった。 これはこの三者が明確に同一視されていたことを示す神話であろう。 そして芽吹きの春・収穫の秋がそれぞれペルセポネ・デメテルによって象徴されたように暗く閉ざされた冬、 あるいはすべての命を焼き尽くす夏がヘカテーに割り振られ彼女らは季節の三相を示す女神として定着したのである。 他にもヘカテーは半月、満月、新月の月の三相を表したり(セレネ・アルテミス・ヘカテー) 天界・地上・冥界の世界の三相を表すとされたりもした。(セレネ・アルテミス・ペルセポネ) 言い換えれば、名だたる女神たちの闇の部分を一手に引き受けていたとも言えるだろう。 後代においては三相とされた女神をすべて自身と同一化し、デメテルやアルテミス、ペルセポネらの化身として扱われたこともあったという。 見方を変えれば、ヘカテーが他の女神を自身に取りこんだというよりもむしろ、すべての女神の起源をたどれば 女神信仰の祖となった存在のひとりである彼女に行きつくという解釈もできるだろうか。 またヘカテー自身はキリスト教においては異端とされたが、彼女の「天上・地上・地下に力を及ぼす」という立ち位置は 神の子イエスのものとして引き継がれていった。 ○配下・眷族について 前述のとおり冥界で魔物たちを直接率いる立場の彼女は、配下・眷族とされる魔物がやたらと多い。 代表的なのは彼女とともに松明を持ち闇を照らす、冥界のニンフであるランパス。 (東方Project「クラウンピース」のモデル) 罪人を執拗に追い立て残酷な刑罰を下す復讐の女神エリニュス(*5)の三姉妹アレークトー・ティーシポネー・メガイラ。 (FFシリーズ・女神転生シリーズ「フリアイ」、ファイブスター物語「アレクトー」「ティスホーン」「メガエラ」のモデル) 青銅とロバの足を持ち悪夢を操る女怪物エンプーサ(*6)(女神転生シリーズなど)、変身術に長けた女吸血鬼モルモーが有名。 また彼女はしばしば犬を引き連れて現れるとされているが、その犬はヘルハウンド・ブラックドッグと呼ばれる地獄の猟犬、 果ては冥王ハデスの直轄である地獄の番犬ケルベロスのことさえあるという。 もともと他の地域での主神格で眷族・配下ごとギリシャ神話入りしたのと、 それ以降も多数の女神たちと関連付けられたように、類似した要素を持つ魔物たちを取りこんでいったためであろうか。 なお彼女の異名の一つに「ラミアの母」というものがある。 ラミアという言葉は蛇の姿をした魔物の固有名詞であると同時に 吸血鬼・夢魔などのあらゆる女の怪物たちを指す総称でもある。 これを踏まえれば「ラミアの母」とは、「すべての女怪たちの母」という意味なのかもしれない。 【創作文化におけるヘカテー】 ヘカテーはギリシャ神話の神々の中ではわりと有名なほうではある。 さすがにオリンポス12神にはかなわないが、それでも数多くの創作物の中に彼女の名を見ることが出来る。 ただその場合慈悲深い母神というよりは「冥府の女王」「魔女たちの王」のダークなイメージで登場する事が多い。 これはキリスト教の影響が大きいのはもちろんだろうが、暗闇や地獄、魔術など悪とされることが多い分野をつかさどりながら、 けして単に邪悪な神というのではなく光り輝く神々と対等の地位と同等の力を持つ女神だという独自性を買われてのことでもあるだろう。 有名なところではシェイクスピアの四大悲劇のひとつマクベスで、3人の魔女達の崇める女神として登場している。 ヘカテーは魔女らに、主人公マクベスに「予言」を伝えたことを諫め、彼に新たな(かつ不吉を齎すような)予言を与えるように仕向けたのである。 またゲーテの戯曲「ファウスト」では哲学者ターレスと口論するアナクサゴラスが月の女神に対し「ディアナ、ルナ、ヘカテの三つの名と姿を持つ神」と呼びかける描写がある。 現在でも多くの媒体でヘカテーの名を見ることが出来る。 上記した独自性からか、ソーシャルゲームなど実在の神話を世界観の下敷きにしたユニットが多数存在するゲームには大抵出演している。(LOV、神撃のバハムート他多数) また灼眼のシャナの頂の座ヘカテーやGのレコンギスタのMSヘカテー、また現実世界でもPGM社の対物ライフル「へカートII」の名前の由来になっている。 その中でも女神ヘカテーをモチーフとしたキャラクターとして特筆すべきものは女神転生シリーズの魔王ヘカーテ、 そして東方projectシリーズのヘカーティア・ラピスラズリだろう。 魔王ヘカーテ(女神転生シリーズ)伝承の神や悪魔をコンピュータを用いて召喚するという一連のシリーズ。この作品でヘカテーは「ヘカーテ」名義で初作から一貫して魔王として登場しており、しばしばストーリー上のボス役も務めた。初作(旧約Ⅰ)ではマズルカの回廊をあずかる魔王として登場。その姿は人間とあまり変わらず、美しい女性のもの。宵闇のような色の髪と肢体の美しさが印象に残る。Ⅱ(旧約Ⅱ)では蛙の顔をした鬼女「ボルボ」名義で登場。公式の解説によると、ヘカテーと同一視された地母神であるらしいが詳細は不明。そして真・女神転生Ⅱ以降は獅子・犬・馬の三頭を持つ「地獄の雌犬」の姿で登場。服装はなんとボンテージファッションで、異様な頭部と妖艶な肉体のギャップが強烈な印象を残した。 ヘカーティア・ラピスラズリ(東方Project)東方紺珠伝7面ボスとして初登場したキャラクター。月、地球、異界それぞれの地獄を司る女神で、それぞれの世界にひとつずつの体を持っている。また配下に松明を持つ地獄の妖精「クラウンピース」を持つなど、随所にヘカテーの要素がちりばめられている。また首のチョーカーから異界・地球・月を象徴する球体を鎖につけてつないでいるというファッションをしており、「三つの世界を縛りつけつなぎとめる女神」すなわち「重力」 を具象化した存在であるということを暗示するような外見をしている。なお現時点で設定上東方Projectの全キャラクター中ぶっちぎりの最強キャラである。ヘカテーがモチーフの時点で察しがついていた人が多かったとか。 と、数々の凄まじいエピソードをもつ彼女であったが、何故かアニオタwikiにヘカテーの項目が作られなかった。 前述の通り、ヘカテーをモチーフにしたキャラや兵器は少なくないのだが… 追記・修正はギガスを松明で殴り殺した方がお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] デビルサバイバーでは全門耐性ですごくお世話になった -- 名無しさん (2016-10-29 13 00 33) 遊戯王にもバイオレットヘカテーやレッドヘカテーってキャラがいたな -- 名無しさん (2016-10-29 13 09 03) ↑懐かしい!でもなんでOCGには登場しないんだろう? -- 名無しさん (2016-10-29 18 03 38) ハデスより強いらしいね -- 名無しさん (2016-10-29 20 12 50) もしかすると、部下と嫁の尻に敷かれているかもしれん、ハデスさん...... -- 名無しさん (2016-10-29 20 26 26) ヤリチンゼウスから貞操を守り切ったんだっけ? アルテミスと同様に配偶神を持たない処女神だそうだけどパネェわ -- 名無しさん (2016-10-29 20 54 22) 某ジャンプ漫画の三大妖怪とか言われても分からん -- 名無しさん (2016-10-29 21 06 59) 項目名を追加。 …「出白」って「出自」のことだよね? -- 名無しさん (2016-12-13 19 21 55) 東方のヘカーティアのページから記述を逆輸入しました。結構大きな編集をしたので、ご確認願います。 -- 名無しさん (2016-12-18 02 18 09) ↑ありがとうございます。項目の作者ですが読みやすくできており、とても助かります。 -- 名無しさん (2016-12-18 02 41 42) 今尚信仰を得る神様って凄まじいな、類い稀なる神性という表現は妥当だな -- 名無しさん (2017-09-13 19 20 47) なぜかFateではメディアの師匠になってるという。 -- 名無しさん (2017-11-06 21 53 40) ↑記事の中に「アルゴナウタイではコルキスの守護神にしてメディアの信仰する神として登場し、実際に召喚されて力を貸したりしている」って書いてありますよ。メディアはヘカテーを信仰する巫女だったのだから、ヘカテーの神託を通して魔術を習ったのだとしたら、師匠ということでいいのでは? -- 名無しさん (2017-11-08 19 26 05) ↑2キルケ―と間違えてないか? -- 名無しさん (2018-04-29 18 29 25) ゼウス「ん?ハデスのやつまだヘカちゃんに手つけてねーのか。あいつ相変わらずだなwwww」 -- 名無しさん (2018-06-07 17 23 52) ↑ページ内の記載にもある「神々によってアケロン河に投げこまれ冥府に流れ着く」というエピソードでは、流れ着いたあとにハデスの妻になったとも伝えられています。 -- 名無しさん (2018-06-10 22 30 58) あれ?ヘカテーと同じ位活躍したヘラクレスって…… -- 名無しさん (2018-11-20 13 33 50) 追記修正のハードルが高い…高くない? -- 名無しさん (2019-11-17 09 37 46) ギリシャでは唯一まともな神かと思えば、コイツも幼女が主食で大好物だから、ロクなもんじゃない……これでも神がまともな方のギリシャって…… -- 名無しさん (2020-03-05 02 11 48) ↑6 キルケー・メディア共々ヘカテーの弟子だったって事になってるっぽい。二人の発言から見るに型月のヘカテーもかなり強い&ヤバいヒトっぽい -- 名無しさん (2020-06-12 14 05 00) 魔術の頂点の癖に物理で巨人殴り殺したのか(困惑) -- 名無しさん (2020-09-21 22 48 35) ↑ 型月あじを感じる...(あかいあくま的な -- 名無しさん (2020-09-21 22 50 42) ↑2 巨人は「神の力では殺せない」ので・・・ 他の神も島や山をぶんなげたりしてます -- 名無しさん (2020-09-22 21 50 25) 変Tの異名を持ち重力を自在に操る高貴なる女性騎士 -- 名無しさん (2020-11-20 12 14 47) 「すなわち『重力』そのものを神格化した存在だとする説がある」←ここソース見つからないんだけど、独自研究? -- 名無しさん (2021-05-01 11 51 47) ↑2・3 こうしてみると雪合戦みたいだ -- 名無しさん (2021-09-22 22 31 42) 魔女たちの守護女神にして冥府の王の懐刀、ステゴロも強いという万能な女神さま。 -- 名無しさん (2021-11-24 15 47 05) ↑3 俺も聞いたことないなぁ 派手にアピールしてる割にはマイナーすぎる説だと思うんだが出典が気になる -- 名無しさん (2022-03-04 01 20 03) 一応「重力の神格化」の出展が怪しい事を記述しました。無論、学術的な出典をご存知の方がいました、削除していただいて結構です。 -- 名無しさん (2022-03-04 14 52 43) 新月や悪夢とかかわり -- 名無しさん (2022-03-05 20 17 19) グラブルのヘカテーは胸の谷間に棒を挟んでて素晴らしいぞ -- 名無しさん (2022-10-02 00 22 40) 「重力を神格化した存在」の件は出典も出てこず、いつのまにか項目から記述が丸々消えていたため、タグの重力も削除しました -- 名無しさん (2023-05-18 14 27 45) グラブルのヘカテーは声がえっちすぎて前屈みになる -- 名無しさん (2023-05-18 18 19 44) 冥王しかり冥妃しかり冥府に関わりを持つ神様は総じて心優しい神々が多いイメージ。(もちろんヘカテー様も) -- 名無しさん (2023-05-18 18 46 07) 名前 コメント
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登録日:2015/12/12 Sat 18 27 40 更新日:2023/10/11 Wed 10 27 07NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 アイギス アテナ アニヲタ神様シリーズ オリュンポス十二神 オリーブ ギリシャ神話 ニケ ミネルヴァ メデューサ絶対殺すウーマン 処女神 勝利 勝利の女神 女神 戦争 戦女神 智勇兼備 梟 槍 機織り 沙織さん 知恵 短気疑惑 聖戦 聖闘士星矢 ■アテナ 「アテナ」はギリシャ神話に登場する女神。 パラス・アテナと云う呼び名でも知られる。 ローマ神話ではミネルヴァと習合した。 オリュンポス十二神の一柱で、戦争と知恵、工芸と芸術を司り、特に勝利と機織り物の女神として語られる。 また、異母姉妹のアルテミスと共に自ら永遠に純潔である事を誓った処女神でもある。 何しろ、大きな前立て付きの兜に黄金の胸当てに長い槍に丸い盾……と完全武装で生まれて来たと云うのだから“お堅さ”では他に類を見ない。 古代ギリシャの文化の中心都市であったアテナイ(アテネ)の守護女神としても知られており、彼女を祀るパルテノン(処女宮)神殿は侵略者であるローマ人をも感服させたギリシャ文明の象徴として今日でも威容を誇る。 聖木はオリーブ。 聖鳥は梟。 これらは平和と知恵を象徴し、梟は添え名(輝く眼)とも繋がっている。 勝利を意味する有翼の女神ニケ(ヴィクトリア)も彼女の化身とされている。 父は至高神ゼウス、母はティターンの思慮の女神メティスとされている。 嘗てウラヌスを打倒したクロノスがウラヌス(天)とガイア(地)より受けた「子らに主権を奪われる」と云う予言を畏れて子供達を呑み込みまくった様に、ゼウスもまたウラヌスとガイアより妊娠中のメティスから「父親にも劣らぬ気性と賢い思慮を備えた娘御」と「傲慢な心を持つが神々と人間どもの王になる息子」が生まれて自分の主権を脅かされるとの予言を受けていた。 そこで、ゼウスは身重のメティスを今度は“性的な意味でない方のパックンチョ”をして腹の中に呑み込んでしまった。 メティス「なあに、ダーリン?妊婦プレイをしてみたいとか本当に貴方ってHに対してアグレッ……いやあああああああああ!」 こうして、メティスの知恵を得れるわ、新妻(テミス)も迎えられるわで一石三鳥!と安心していたゼウスだったが、十月十日が満ちて凄まじい頭痛に苛まれる事になる。 余りの痛さに鍛冶神ヘパイストスに斧で頭をカチ割って貰うと、額から完全武装した戦女神アテナが誕生したのである。 アテナは予言通りに優秀な女神であったが、ゼウス自身より生まれた為かパパっ娘で、ゼウスの主権を脅かす様な危険分子では無かった。 ゼウスは、この美人で強くて賢い愛娘を讃えると共に自らの胸当てを贈り、これをアテナは神盾(アイギス)とした(※普通にゼウスの神盾を下賜されたとの説もある)。 一方、後には傲慢な息子の方も予言通りに生まれているが、此方もテミスより更に後添いのヘラから生まれた為か、神としては微妙な程の残念キャラだった。 ……ともかくも、この若干のズレによってゼウスの統治は永遠の物と確約され、オリュンポスの神々が世界を統治していく事になったのである。 ※生まれたのが男神ではなく女神だったので予言は外れだったとの説もある。 ゼウスへの忠告はガイア、またはクロノスによる忠告の名を借りた呪いだったとされる場合もあるが、何れにせよこれで無効となった。 メティスさんだけが可哀想な気もするし、ヘパイストスがもう登場してたりとか時系列もガバガバだけど、まあほら(ギリシャ)神話だし。 【由来】 元来から同地(アッティカ)で信仰されていた城塞都市の守護女神(ポリウーコス)であり、謂わば地元の人気アイドルであった。 こうした事情からギリシャに支配された後のオリュンポス神族では血統は傍流とされながらも、ゼウスの正妻であるヘラや嫡男であるアレスよりも遥かに神話内での扱いが良い。 これは、元々のアテナ信仰の根深さと、統合されても尚、同地の大女神として小規模な神々をも従えていたとされるエリアボスの人気と強さが窺える。 また、アテナは勝利の女神として英雄達の冒険をバックアップした事でも知られている。 特にペルセウス神話や聖闘士星矢では勝利の女神としてのアテナの加護が重要な働きをしている。 トロイア戦争では発端の一人とされてしまっているものの、後の戦争ではギリシャの勝利を後押ししており、これは出身地域により振り分けられたとされる隠喩的な構図が見て取れる。 【ポセイドンとの対立】 海皇ポセイドンとは妙に仲が悪く……と云うか、基本的にポセイドンが優秀な姪につっかかっては噛ませになるパターンが多い。 ポセイドンが野心に富んだニューリーダー病のNo.2とされつつも微妙に影が薄く、余りいい神話が語られなかった事もあってか人気の差が如実に反映されてしまったのかもしれない(ギリシャ神話に組み込まれた時点で零落していた神であった)。 ポセイドンとアテナ関連の神話として特に有名なのがアテナイ(を中心としたアッティカ地方)の支配権を巡り対立したエピソードである。 この争いは「どちらがアテナイの民に有益な贈り物をするか」で競われ、ポセイドンがアクロポリスの山上を三叉の鉾で突いて塩水の湧き出る泉を生じさせたのに対し、アテナは地上にオリーブの木を生み出してみせた。 オリーブの実は食用にも灯油にも医薬にもなり、幹は家具の材料に、枝は勝利者の冠になった。 これを見た審判の神々(或いは初代アテナイ王ケクロプス)はアテナを勝者とし、彼女の為にパルテノン神殿が建立される事になった。 しかし、これを不服としたポセイドンはアテナイを洪水(※津波や地震説もある)で攻撃。 最終的にはゼウスが仲裁に乗り出し、アテナイの第二の守護神としてエーゲ海に突き出すスニオン岬にポセイドンの神殿が築かれたと云う。 ……ゴネ得は害悪。 ハッキリわかんだね。 この他にも、愛人であったゴルゴン3姉妹の末妹メドゥーサがアテナの祟りに触れて蛇身邪眼の怪物に変えられたりと直接、間接を問わずに敵対する神話が多い。 ちなみにこの後メドゥーサの姉であるステンノーとエウリュアレー(同名のポセイドンの妻がいるが別の神である)がメドゥーサの事で抗議に来たが同様に化け物の姿に変えてしまっている。 一説によれば欲情したヘパイストスがアテナに襲いかかったのは、ヘパイストスが「(鬼母を解放した)褒美に嫁をとらせる」と言われた時に、ポセイドンが敵対するアテナを犯せと薦めた時の話だともされる(当然の様に拒絶されたが)。 現在ではヘパイストスが自らアフロディテを妻に選んだとされる事が多い為、かなり珍しいエピソードである。 ただし、ポセイドンが「これからは俺がニューリーダーだ!」とばかりにゼウスを縛り上げた際には浮気の罰だったのかヘラと共に協力しているらしい。 実はハッキリした事は解っていないのだが、アテナの異名として知られるパラス・アテナのパラスとはアテナと双子の様に育ったポセイドンの孫(トリトンの娘)であったとされている。 アテナは幼少時の諍い、或いは模擬戦の中でパラスを誤って殺害してしまい、その罪を背負う意味でパラスの名を冠したと云う。 しかし、この神話はアテナの誕生譚を初めとした他の神話とは矛盾しており、パラスをアテナの元々の神性から切り離された分身の様な存在だったと考える説もある。 元来のアテナは水に関連した大地の女神であったと考えられており、元々は“大地の女神の夫”と呼ばれたポセイドンと妙に縁が深いのもそれが理由とも考えられる。 メドゥーサも矢張り古の地母神で、パラス同様にアテナとの関連を主張される事もある。 ポセイドンは同じく古の地母神で配偶者であったとされるデメテルともどちらかと言えば敵対する神話が多いが、よっぽど酷い旦那だったのかもしれない。 この他のパラスの由来としてはアテナ(パラス)を殺そうとした同名の巨人が居り、アテナは逆にこれを殺して胸当てや盾の材料にしたと云う。 ……この様に、よく知られた名前の割にはパラスの呼び名の由来は明確では無いのだが、現在ではパルテノンと同じく処女性を示した定冠詞とも考えられている。 単にパラスと記した場合でもアテナを顕し、後にオデュッセウスがトロイアから盗み出したとされるパラディオン像はアテナがパラスの死を悼んで作られたとするエピソードが付けられている(元来はアテナともパラスとも無関係の女神像である)。 ※他にパラティヌス丘の名の由来とされたりするパラースなる複数人の男性名もあるが此方は関係ない。 【主な神話】 人気の英雄達を助けたエピソードでも知られ、ペルセウスのメドゥーサ退治に鏡の盾(自分の神盾だったともされる)を貸し出したり、怪鳥を誘き出すガラガラを用意したり、ベレロポンにペガサスを手懐けられる黄金の手綱を渡している他、オデュッセウスの姿を元に戻したのはアテナだったとされる。 ……仲の悪いポセイドンやアレスの血縁や眷属ばっかりが相手な気もするが気のせいである。 ペルセウスからはメドゥーサの首を献上されており、これによりアテナの神盾は最強の武器にもなった。 処女神として従者の乙女達にも純潔を守らせたアテナだが、一人だけ息子と呼べる存在が居る。 アテナイ王にしてギリシャ式戦車を生み出したとされるエリクトニオスの事で、仕事の依頼に工房を訪れたアテナにヘパイストスが欲情して迫り、拒絶はされたものの美脚にぶっかけられてしまい、それを忌々しげに拭ったアテナが地面に男汁(苦)を叩きつけるとエリクトニオスが生まれたのだと云う。 ここまでの経緯については諸説あり、ヘパイストスがアテナに日頃から懸想していたとか、妻(アフロディテ)に相手にされない寂しさが我慢の限界に達したとかの説がある(一週間程度だが)。 生まれた子供に罪はないと引き取りはしたアテナだが、何故だかエリクトニオスを箱に入れて、何故だかアテナイ王ケクロプスの3人娘に預けたとする神話もある。 結局3人娘は好奇心に勝てずに箱を開けてしまい、アテナが自らの神殿で育てる事になったのだと云う。 純潔の女神が子供を生むと云う奇妙な神話だが、アテナイの守護女神と血縁を結びたいと云う純粋な信仰心から生まれた微笑ましいエピソードであろう……欺瞞! このエピソードからアテナを「鍛治神の伴侶」と呼ぶ場合もある。 ヘパイストス「照れるぜ」 アテナ「……死んだら?」 ギガントマキナでは、アテナは巨人たちの中でも最も強力で不死身のエンケラドスと戦うも圧倒。 まあ、軍神(笑)も一撃で倒せる娘だし。 巨人が逃げ出した所にシチリア島を投げつけて押し潰したとされる。 これがエトナ山だともされるが、この神話は後にテュポンのエピソードとして吸収されてしまったと思われる。 ※これ以前のテュポンはゼウスに灼き払われて殺されたとされていた。 【機織り対決】 アテナの神話と云えば天才機織り娘アラクネとの機織り対決も忘れてはならない。 天才だが傲慢で神々に唾するアラクネを老婆に化けて諭すも聞き入れられず、正体を明かしたアテナは機織り勝負を挑んだ。 「おーっと王者の雷光三段織りだーーー!これで決着かー!?」 「い、いや、見てください挑戦者を!?」 「な、なんとアラクネ選手!桃源無尽乱交織りだーーーー!!処女神への精神的ダメージも兼ねた圧倒的官能美!!これには王者も届かない!!!」 ※実況 解説同僚のおばちゃん達。 ……アラクネの機織りの技はアテナにも匹敵、或いは勝る程のものであったが、彼女がタペストリーに織り込んだのは父のゼウス(や他の神々)の酒池肉林と青姦獣姦乱交の下半神ぶりを精緻に描いた淫らな画であった。 これに激怒したアテナは反省(物理)でアラクネを打ち据え、アラクネも己を恥じて自ら命を絶ったともされる。 でもゼウスのヤリ夫っぷりを考えると文句言えた義理でも無いよね。 アラクネはこの後、トリカブトの汁で蜘蛛の姿に変えられるが、永遠に糸を紡ぎ続ける蜘蛛への転生をアテナの呪いとするか、慈悲とするかで解釈が分かれる。 後代では呪いとされる事が多かったらしく、ダンテが『神曲』で蜘蛛の下半身の亡者として描いたのを皮切りに現在まで創作世界で人気のモンスターとして扱われてしまっている。 アラクネの名は蜘蛛を呼ぶ名詞とされた他、彼女と道ならぬ恋に落ちた弟のバランクスは罰として蛾に変えられたとの神話まで付け足された……やめたげてよぉ! この他、どっかで聞いた話でもあるが沐浴中に裸を見られたテイレシアスを祟りで盲目にしてしまったとのエピソードもある。 まあ、テイレシアスは替わりに予言の力を授かるのだが、極端な祝いと呪いがアテナの神話には付いて回る様である。 追記修正は完全武装してお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 好きな女神 -- 名無しさん (2015-12-12 18 32 42) オリンポスのみなさんの中ではまだマシな部類かな…知名度も高いし美人のイメージもあるし -- 名無しさん (2015-12-12 18 57 11) いやだいぶ碌でもないだろ・・・wアテナ寄りの伝承が多いのも単にアテナ人気に贔屓したものが多いってだけで -- 名無しさん (2015-12-12 22 03 47) 誰とでも寝るBITCH女神、一途だが旦那の浮気相手には冷血非情な貞淑女神、ガードが硬いを通り越して痴漢冤罪並みの過敏さで行き掛けの異性を断罪する処女神…手頃なのが見つからんね~ -- 名無しさん (2015-12-13 05 24 20) テティスとヘスティアは良心。あとは主に最高神の被害者か、鬼畜な女神しかいない… -- 名無しさん (2015-12-13 05 37 13) 嫁or恋人にしてまともに生きていけそうなのがヘスティアくらいしかいねぇ・・・。超絶浮気性なのさえ我慢できる大海よりも広い心があれば実害は少ないアフロディーテも何とかいけるか? -- 名無しさん (2015-12-13 05 57 57) アフロディーテは浮気相手の方からの実害が甚大 -- 名無しさん (2015-12-13 09 25 29) 青春の女神ヘベとかどうかいな?義母がヘラさんになるけどな!後はプシュケとかアリアドネは性格よさそう。 -- 名無しさん (2015-12-13 18 03 38) トロイア戦争中はトロイア側の人間に化けて直接干渉したり神の中でも特に悪辣なイメージ -- 名無しさん (2015-12-13 21 05 39) 地母神としての原型のアナテは地母神らしい流血の女神なんだよなぁ -- 名無しさん (2015-12-17 14 25 52) ペルセポネーも(この神話の中では)かなりまともな性格だろ -- 名無しさん (2015-12-17 15 13 08) ↑ペルセポネは「てめえ雑草女の分際で何うちの旦那に色目使ってんだよ!」と某ニンフを踏みつけているからな…… -- 名無しさん (2015-12-27 19 12 50) 誰かペルセポネさんの記事も書いてくれんもんか...... -- 名無しさん (2016-03-17 19 38 08) そういえば、沙織さんって映画だと星矢(ペガサス聖衣着用)をお姫様抱っこしてたな。シチリア島をぶん投げれるなら納得だ… -- 名無しさん (2016-06-05 00 10 10) ペルセポネの御付の女神ヘカテの記事も -- 名無しさん (2016-08-28 20 48 17) ぶっかけられただけで子供ができるんだから、アフロディテ並(比喩)のぶっかけ祭りなんてやったら、とんでもないことになるんじゃ......。 -- 名無しさん (2016-11-22 21 51 35) アラクネの話見て失望しましたプロメテウスのファンになります -- 名無しさん (2017-01-02 21 22 32) 確か祀っていた神殿の柱には生贄として若い男性を生きたまま塗り固めて作ったんだっけか -- 名無しさん (2017-01-02 21 51 14) ↑11 穏やかで慎ましくおおらかなで楽天的なヘベさんが、これまで散々苦労してきたヘラクレスの嫁になったのは(ヘラとの和解も含めて)ものすごい救いだと思うんだ。 -- 名無しさん (2017-01-10 10 47 18) どっちにしろギリシア女神陣の中では上から数えたほうが早いレベルでマトモなのは間違いない -- 名無しさん (2019-05-21 16 24 04) アテナの人気があるのはアテナイの勢力が強くて影響力があったから。ギリシャ神話の神の立ち位置はご当地守護神争いの結果でもある。 -- 名無しさん (2019-05-21 16 55 30) 『世界の神がみ超図鑑(ポプラ社)』によると、彼女のサイズは「人間大~超巨大」と書いてあったけど、巨大化した時の身長と体重は何mと何tあるのかな。 -- 名無しさん (2020-07-23 20 11 37) 地球人とウルトラマン、くらいかな? -- 名無しさん (2020-07-23 21 12 44) 強くてニューゲームかつ最強装備をフル装備な感じ -- 名無しさん (2020-07-23 21 16 30) 聖闘士星矢的に解釈すると、初代天馬星座の聖闘士のベレロポン、聖戦終結後に次代の希望として聖闘少女に預けられた戦災孤児のエリクトニオス、デスクィーン島に追放された聖衣職人のアラクネってところか -- 名無しさん (2020-11-08 16 56 25) アレスと司るものが被ってるように思うけどアレスが戦いの神であるに対してアテナは軍略の神ってイメージでいいかね -- 名無しさん (2021-04-09 14 37 55) ↑アテナは戦争の正の面、アレスは負の面って感じなのかな? -- 名無しさん (2021-04-09 15 11 59) ↑アレスの生まれた子供が不和とか報復的な面を司る神が多いから アレスは戦争の残酷さをメインで司るっぽい アテナは勇者に助言するから知略を司る神っぽい -- 名無しさん (2021-08-27 20 07 44) ↑そんな感じだね。アテナが戦争に於ける知略とか誇りある勝利を司ってるのに対し、アレスは戦争を続けさせるために両陣営に働きかけるとかしてたとされてる。 -- 名無しさん (2021-08-27 21 30 20) アテナからポセイドンに寝返った戦士がいてね。 -- 名無しさん (2021-09-26 04 47 13) メデューサの髪の美しさに嫉妬して怪物に変えたり、黄金の林檎の件で争ったりしてるし、この女神自分の美貌に滅茶苦茶自身持ってるんだろうな。特に褒められたりとかしてないみたいだけど -- 名無しさん (2022-02-05 09 20 10) 戦女神だけあって苛烈なエピソード満載ですな。 -- 名無しさん (2022-02-05 11 58 16) ↑↑メデューサの件は侮辱してきたっつー自業自得説が有るとか…何故にギリシャ神話の人間は神を侮辱というか挑発するんだか…(ヘラは相手に有責皆無の逆恨みばっかだけど) -- 名無しさん (2022-02-14 19 26 26) 英雄たちには惜しみ無く加護を与えるが敵対するもの侮蔑するものには一切容赦しないオリュンポスの風紀委員みたいな女神さま。 -- 名無しさん (2022-06-13 18 36 48) 誰でもいいから、彼女の容姿を教えてくれ。俺が調べた所によると、焦げ茶色の髪と灰色の瞳。そしてオリーブ肌。らしいのだが、他にも定説があるのだろうか? あとスカマンドロスで水浴したってのが、何処を調べても出てこないのだけど、本当なのだろうか? -- 名無しさん (2022-08-21 19 05 22) アラクネーの件は情け付きの罰なんじゃないかな? -- 名無しさん (2022-11-18 03 17 39) 名前 コメント
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登録日:2015/12/08 Tue 10 53 55 更新日:2024/03/14 Thu 23 01 28NEW! 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 アテナ被害者の会 アニヲタ神様シリーズ アレス イケメン オリュンポス十二神 ギリシャ神話 ネタキャラ マルス 偉大な預言者(昔) 嫌われ者 残念なイケメン 王子 軍神 軍神(笑) 間男 ■アレス 「アレス」はギリシャ神話に登場する神。 軍神と呼ばれる事が多いが、より正確には戦争が齎す破壊と狂乱の神。 同じく戦争を司るアテナが戦争での栄誉や理性的な計略を象徴するのとは対照的に、戦争の負の面を強調した神性と言える。 オリュンポス十二神の一柱で神盾(アイギス)もつ偉大なる主神ゼウスと、黄金の沓はくアルゴスの女神…畏きヘラの息子。 ローマ神話ではマルスと習合した。 アレス「つまり、俺こそがオリュンポスの王子だ!」 同じくオリュンポスに名を連ねる他の兄弟達が妾の生んだ傍系ばかりである事を考えると、正に純粋な血統、オリュンポスの未来を背負う存在と言える。 アレス「そうだろう!そうだろう!」 ……が、何故か神話内での扱いは散々で、当のゼウスやヘラからすら疎まれていたとのエピソードが付加されてしまう場合も少なくない。 アレス「ダニィ!?」 聖獣は猪と狼。 恋人のアフロディテの心を奪った美少年アドニスに嫉妬して、巨大イノシシに変身して美少年に突撃している(意味深)。 配偶神はハッキリとしないものの、愛人であるヘパイストスの妻アフロディテとの間にフォボス(敗走)、デイモス(恐慌)の兄弟と娘のハルモニアを儲けている。 火星の衛生の名前はここから取られている……不穏な名前の衛星だな。 エロスもアレスとアフロディテの子とする場合もあるが、これはエロスがアフロディテの従者、更にはローマ神話のクピド(キューピッド)と習合した少年、或いは幼児の姿の神と捉えられる様になってからの話で、元来のエロスは髭モジャのオッサンである。 エロス「アフロディテ様の美しさに儂が惚れ込んで側に置かしてもらっとるだけじゃけえのぉ!(ダミ声)」 ……こうした経緯からアフロディテをアレスの正妻とする場合もあるが、かなり狭い意見。 他に、エリス(不和)や婆ちゃんじゃない方のエニュオ(戦)も彼の従者にして多くは妹ともされているが、姉や妻とされることもある。 特にエニュオは母や娘、后とされていることが多い。 ローマ神話でエニュオに対応するベロナがマルスの后とされているのがギリシャにも反映されたのかもしれない。 この他、世界初の裁判の原因となったとされる娘のアルキッペの他、ヘラクレスに番外で退治された残忍な巨人キュクノス、十二の難業でヘラクレスと対峙した勇猛さをもって語られるアマゾネス、同じく十二の難業の人喰い馬を飼っていたトラキア王の方のディオメデス……と妙に悪い意味でヘラクレスと縁がある(※序でに、同じく十二の難業の一つであるステュムパリデスの怪鳥も元はアレスが飼っていたとされる)。 これでもポセイドンの子供達に比べればマシな扱いだが、アレスの子供もまた怪物や狂人、蛮族とされる事が多かった様である。 アレス「もうダメだ、おしまいだあ…(ネタキャラ化からああ逃れられない)」 【神話】 アレスに纏わる神話は数が少ない上に殆どが不名誉なものばかりである。 尚、アレスがこんな扱いになったのはアレスが元々はギリシャに征服、統合されたトラキアの神だからで、トラキア人の勇猛さがギリシャ的価値観には合わずに蛮族とレッテル付けられて偏見の目で見られていた為。 そうした複雑な経緯が神話内での地位の高さと相反した扱いの悪さに繋がったと見られている。 【浮気】 実はギリシャの男神の中でも一、二を争う程の美貌の持ち主のアレス。 そのアレスに醜男と結婚させられていた愛の女神アフロディテが声を掛けた。 容貌に優れないばかりか、いつも工房に入り浸り相手をしてくれない夫への不満を、見た目だけは逞しいアレスの肉体で解消していたアフロディテだったが、流石に自宅に間男を連れ込む行為は直ぐにヘパイストスの知る所となった。 自分を捨てたヘラを黄金の椅子に透明の鎖で縛り付け、解く事を条件に天界に迎え入れさせた時に続いて、非合法行為の現場であるアフロディテのベッドにも仕掛けを施したのだ。 そして、例の如くアフロディテとアレスが激しい前後運動や、ねっとりとした上下運動を働いていると……。 ア・ア「ア?…アイエエエエエエエエエエエ!?」 例の如くの例の如くにベッドの仕掛けが発動。 今回は透明な網が絡み合った二神を更に絡み取った! 早速ヘパイストスは伝令をやり、この様を他の神々に見せて笑い者にした。 アテナ「無様ね」 アルテミス「軽蔑します」 アポロン「実際羨ましい」 ヘルメス「デスよね~♪」 女神達「…ああん?」 男神達「ゲフンゲフン!」 ……この時の結果については諸説あり、普通にアフロディテとアレスが笑い物にされ、恥をかいた彼らがキプロスとトラキアに逃げ帰ったとされる説や、アフロディテと関係を持てたアレスを男連中が羨ましがり、逆にヘパイストスの甲斐性の無さが笑われたとする説もある。 一方、ヘパイストスはアレスとアフロディテの不貞の娘であるハルモニアの結婚に豪華な首飾りを送ったとする神話もある等、アフロディテへの深すぎる愛の形なのか自分の“代わり”を務めた不倫相手への複雑な感情が見えるエピソードもあったりする。 まあ、実はその首飾りが不幸の首飾りだったと云う黒いオチが付く場合もあるのだが(暗黒微笑)。 【敗戦の歴史】 同じ戦争の神とされつつもアテナイの守護者として多大な人気を獲得したのがアテナで、アレスは神話内で度々アテナと戦っては直接、間接を問わず敗れ去っている。 特に有名なのがトロイア戦争にてアテナの加護を得た英雄ディオメデスとの対峙で、この時にアレスは人間であるディオメデスに下腹部を貫かれ、一万人の兵士の雄叫びに匹敵する悲鳴を上げたとまで書かれている。 アレス「ちょっ……お前は何者だ!?」 ディオメデス「ただの……人間だ!!」 このトロイア戦争の折には神々も両陣営にそれぞれに加担したとされており、前述の様にアテナやヘラがギリシャ側に付けば、アポロンとアルテミスはトロイア側に付いて争っている。 しかし、アレスは自分の信念はそっちのけで……と云うか元より無くて「戦闘のための戦闘」がしたかったらしく、必要に応じて両陣営に加担しては戦闘を継続させていたらしい。 また、ポセイドンの血を引く僅か9歳にして身長17メートルにも達した巨人のアロアダイ兄弟(オトス、エピアルテス)が世界を欲して傲慢にもオリュンポスの神々に挑もうとした時には、珍しく真っ先に退治に向かうも、あっさりと敗れた上に青銅の壷の中に十三ヵ月も閉じ込められた末にヘルメスにやっとの事で救出されたエピソードもある。 オ エ「変なオッサンキター!……挨拶代わりにパーンチ!」 アレス「アバーッ!」 オ エ「…うっそ、弱っ……」 オ エ「後で怒られると面倒だからこん中入れとこうぜ」 アレス「ヤメロー!ヤメロー!」 こうして、伸びている間に手足を縛られて暗くて狭い壷の中に閉じ込められたアレス……しかし、十三ヵ月とか本気で誰も探さなさ過ぎである。 ヘルメス「いやー心配してましたわー(棒)」 この他にも、前述の息子とされる巨人キュクノスがヘラクレスに退治された際には自らヘラクレスへの復讐に乗り出した事もあると云う。 しかし、ゼウスにより仲裁(物理)されたとか、普通にヘラクレスにボコられ逃げ帰ったとされるエピソードも残る。 【世界初の裁判】 不名誉な神話ばかりが多いアレスだが、正義の立場で立ち上がった事もある。 ある日、自分の血を引くアルキッペがポセイドンの子であるハリロオティオスにレ○プされてしまった(未遂説も)。 怒り心頭に達したアレスはハリロオティオスを殺害。 これにポセイドンは「今更親族○イプなんて常識ダルォ!?」と異を唱え、ここに初の法廷裁判が執り行われたのである。 テミス「判決~レイ○とかクズすぎ~(正論)」 ゼウス「せやな、加害者は情状酌量(下半神卒業しといてよかったーーーーーー!!)」 ポセイドン「海でふやけてる間に地上の常識が変化してる!?」 アレス「無罪」 アテナ「あーいう悪趣味なギャグどこで覚えてくる……て、合うとるやんけ!!」 ……この時、現場となったアレオパゴス(アレスの丘)の地は以降の裁判の聖地となったと云う。 【国の守護神として】 フェニキア王子でテーバイ建国王カドモスは自分の身を守る為にアレスの竜を殺してしまったものの、「アレスを国の守護神として尊崇する」「アレスは娘のハルモニアを降嫁させる」という条件で和解しテーバイの守護神となる。 テーバイの国自体はアレスの後援とカドモス ハルモニアの建国期の善政で頭角を現し、繁栄を享受するのだが・・・アレスに妻を寝取られた兄であるヘパイストスがハルモニアの婚礼祝いに呪いの首飾りを贈ったせいで王家には不幸が続く事になる。 【交友関係】 比較的に仲がいいのは愛人のアフロディテと冥界王ハデス。 アフロディテとはよっぽど肉体の相性がよかったのか、子供の数を見ても例の事件以降も関係を続けていたと見て取れる位である(※口の悪い研究者からは共に神としての資質や他人に与える能力に欠けた似た者同士カップルとも言われる)。 ハデスがアレスに同情的なのは片や鼻つまみ者、片や「名前を言ってはいけないあの人」とされて忌み嫌われている似た者同士だから……では無く(※その可能性もあるが)、アレスが戦争で犠牲を出しまくる→冥界が賑わって嬉しい!かららしい。 ハデス ペルセポネ「入居者募集中!死ぬだけの簡単審査で永遠に静かで落ち着いた生活が約束されます……幸福になりませんか諸氏!?」 良く知られたアレスとハデスの逸話として、子供達が悲惨な死を遂げ続けた結果、自らの不死性を捨てて死を選んだアレスとアフロディーテの娘ハルモニアをアレスがハデスに頼み込んで善人が穏やかに暮らせるエリュシオン行きにした貰った、というエピソードが有る。 まあ、ハルモニアもその夫のカドモスも国を平和に治めて繁栄させた賢君だったので、アレスが頼み込まなくともエリュシオン行きになっていた可能性も高いが、神が不死性を捨てて死ぬケース自体が極めて稀なのでアレスが心配になったのも分からなくもない。 尤も、ハルモニア自身が兄であるヘパイストスの妻であるアフロディーテを寝取った結果生まれた娘なので、本人が如何に善良な女神でも伯父であるヘパイストスの恨みを買っており、結婚祝いに送られた首飾りに強烈な呪いを込められていたのが、子供達の不運の原因なのだが(*1)。 あと、役割上、本来は格下のはずの死の神タナトスには頭が上がらない。 タナトスがいないと戦争で致命傷を受けた者たちが死ねなくなる(たとえ首が胴とはなれていても)から。 そのため、タナトスが監禁されたときにはアレスが助け出すハメになった。 【マルス】 更なる余談としては、逆にギリシャ神話にも影響を与えてはいるものの、ローマ神話の軍神マルス(火星)は、ローマ帝国建国にも絡められて語られた程の威容と人気を誇る主神格の一柱であり、アレスとは全くキャラが違う事がネタにされる。 マルスは戦争の勝利と共に豊穣をも齎す強さと美しさを兼ね備えた男神であり、命を奪うのではなく、与える神であったのだ。 マルス「俺のことは……超アレスとでも呼んでもらおうか?」 追記修正は自分の輝ける場所を見つけてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] このおっさんはGoWでクレイトスさんにボコボコにされて神位を乗っ取られたのしかイメージがない。 -- 名無しさん (2015-12-08 12 23 05) 来たぜーイケメン不遇神!こいつのヘタレっぷりはなんなんだろうね・・・戦争に弱くてもケンカに強けりゃ浮かぶ瀬もあったろうに・・・ -- 名無しさん (2015-12-08 12 24 07) まぁ、歴史背景鑑みると仕方ないっちゃ仕方ない。ある意味歴史の被害者。幸いローマ神話では人気者だし救いはあるんじゃないかな? -- 名無しさん (2015-12-08 12 30 12) 確か星矢でも、名前だけは出てきてたよね? バーサーカーを率いて、アテナと聖戦をやったとかなんとか……。そのときに、てんびん座の武器が使われたとかなんとか。 -- 名無しさん (2015-12-08 13 06 54) アレス「ミノタウロスを倒したくらいで一躍ヒーローか…オレが倒せばよかったかな」 -- 名無しさん (2015-12-08 13 16 50) まぁ世界最古の風評被害者みたいなもんだからな・・・w -- 名無しさん (2015-12-08 15 04 19) ↑2 迷宮で迷って泣く事になるのでやめとけ・・・ -- 名無しさん (2015-12-08 15 05 02) やっぱギリシャ神話の貞操観念はハデスとペルセポネ夫婦が一番まともだわ -- 名無しさん (2015-12-08 16 45 05) ヘラクレスが死の原因を作った妻・デイアネイラとのなれ初めは、冥府に下った時に兄メレアグロスから「妹を頼む」と勧められたのが始まり。そのメレアグロスの実父はアレス。 -- 名無しさん (2015-12-08 17 06 25) おいハーデスとペルセポネの夫妻w -- 名無しさん (2015-12-08 18 47 23) アレスを倒したディオメデスですらギリシャ軍三番手の戦士なんだよなぁ… -- 名無しさん (2015-12-09 07 09 52) 忍殺が関係ない場所での忍殺語は奥ゆかしくないのでは。これはヘンシュウシャ=サンのケジメ案件では。 -- 名無しさん (2015-12-09 20 35 38) 某ゲームでは破壊神として使える部類 -- 名無しさん (2015-12-09 22 58 16) パズドラだともうマルスになってんじゃね~かってレベルで強いなw -- 名無しさん (2015-12-09 23 31 50) エロスが髭モジャのおっさんってマジか・・・(アフロディテの養子だってことは知ってたけど) -- 名無しさん (2015-12-13 21 05 54) マルスもアレスもFEのイメージしかない。 -- 名無しさん (2016-06-12 19 30 20) 母親ヘラには愛されているアレスだけど、自分の娘二人はそのヘラに殺されているという -- (2016-11-12 22 13 07) 型月世界では本人に特に非は無いのにボコボコに叩きのめされて剣を奪われ挙句の果てに奪った本人から挑発されて制裁ビーム撃ったら奪った本人には当たらずその敵に当たり更に別の神様の剣扱いにされるという、アレス本人に問題はあるかもしれないがここまでされるいわれはない。 -- 名無しさん (2016-11-18 21 00 58) 他所へ行くとヒーロー扱い(シヴァ、素戔嗚、神農etc.)は多いけど、アレス程顕著なのは珍しいかも。 -- 名無しさん (2016-12-02 21 51 56) こんなヘタレだけどもギリシャ神話の中では人間視点からすると比較的いい神(あくまで比較的) -- 名無しさん (2016-12-19 20 15 12) イーリアスでアスカラポス(アレスの子)が戦死した際は、ゼウスの意向に反するおそれがあるのに「息子の仇を討つためなら死んでもいい」と激憤する場面がある。問題は一見すると良エピソードだけど、戦神としてはハンチク極まりない点。 -- 名無しさん (2017-08-01 10 20 20) アメコミだと強キャラだから…(特にDC) -- 名無しさん (2019-02-02 16 02 40) 半熟英雄でも強キャラだぞ!レッドドラゴンには負けるけど… -- 名無しさん (2019-02-02 16 26 06) 戦の神といっても戦をする人を助ける神というより、この神自身が戦争そのものの擬人化みたいなものだからな。だから敗走、恐慌、調和といった子を持ち、不和や戦いといった姉妹を持つ。 -- 名無しさん (2019-05-21 16 50 26) ローマでは火星の中に6頭の火を吐く馬とその馬達が引くチャリオットに乗ったマルスの姿を見ていたそうだ。ちなみに設定身長は200m -- 名無しさん (2021-06-11 19 29 51) ギリシャとローマで扱いが180度違うのが面白い。 -- 名無しさん (2022-06-13 17 50 15) 父母共に質実剛健なのになぜここまで王子は弱いのか。 -- 名無しさん (2022-12-26 08 05 47) 名前 コメント
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登録日:2019/3/13 (水曜日) 23 48 00 更新日:2023/11/13 Mon 20 56 41NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 ギリシャ神話 ケラウノス サイクロプス サンダーサーベル 伝説の武器 最強 杖 槍 神武 雷 雷神 雷霆 ケラウノス(κεραυνός) とは、古代ギリシャ語における「雷」である(*1)。 また、ギリシャ神話の主神であるゼウスが振るう武具としても知られ、同神話最強の武器である。 形状に関しては「杖」「槍」「矢」などと諸説あるが「雷そのもの」であるとも。 訳語としては、雷霆(らいてい)の語を当てられることがしばしば見受けられる(*2)。 概要 元々はサイクロプス三兄弟がゼウスによってタルタロスから開放してもらった際にゼウスへの感謝も兼ねた献上品として作ったもの。 サイクロプスはそれぞれ「閃光(ステロペス)」「稲妻(アルゲス)」「雷鳴(ブロンテス)」の名を関しており、その三つを合わせた雷の力が宿っている。 また、アテナがその知恵から発明したともいわれる。 この場合、アテナがヘパイストス(*3)とその下にいるキュクロプス(サイクロプス)を指示して作らせ、そしてゼウスに献上したとされる。 ゼウスを象徴する武具であるためゼウスのみが使えるイメージが強いケラウノスだが、このことから、実はアテナも使うことが可能という伝承も存在する。 かの「アイギスの盾」が、アテナを象徴することもあればゼウスに使われることもあるのと似たような話だろう。 また、後述の様に一度、アポロンによって製造所を破壊されており、製作担当者も殺されているので、元々キュクロプスが作っていた物をアテナとヘパイストスが製造設備も含めて再現したと考えれば、双方の説の辻褄は合う。 その形状は先述の通り武器の形をしていたという説があるが大抵の場合決まった形はなく、雷=稲妻そのものと言われる。 ゼウスはこれを投擲する形で使っていたと言われてるので、キン肉マンに登場する技で例えるならばサンダーサーベルのような感じで使っていたイメージをしていただければ問題はない。 また、単なる雷として描写されているイメージがあるが、原典では全能神の威光として一度放てば世界を軽く焼き尽くし、本気で放った場合には宇宙そのものをも破壊すると言われる文字通りギリシャ神話で、最強の威力を誇る武具なのだ(*4)。 神話におけるケラウノス 最初に登場したのがティターン神族との戦いであるティタノマキアーである。 若き日のゼウスは先述のようにタルタロスに封印されていたサイクロプスを助け出すとお礼にケラウノスを献上され、早速これを手にし、手足のように扱ってティターン神族を次々に駆逐、戦争に勝利するとタルタロスへ封印した。 ゼウスの雷霆は放った瞬間に空間を満たし、威力は勿論のことティターン達は強烈な光で目をやられるのにも苦しめられたという。 そして古い神話の形では、この序でとばかりに世界の始まりであるカオスをも滅ぼされているとのこと。 ギガントマキアでもギガスの軍勢を蹴散らす際に使っているが、妻であるヘラにギガスの一人であるポリュピリオンが欲情し襲いかかった際にはこれを投擲し、致命傷を負わせた。 止めはヘラクレスが刺している。 アスクレピオスの逸話においても登場し、後述する通り死因となっている。 ケイローンに師事していたアスクレピオスは飛びぬけた医術を持っており、あらゆる病を治し、遂には死者をも蘇らせる水準にまでなっていた(彼が蘇らせた人物の中にはグラコウスやヒッポリュトスも含まれている)。 だが死者が冥界に来ないということはハデスら冥府神にとっても死活問題であり、世界の秩序を乱す行為であるとゼウスへ抗議した。 これを聞いたゼウスはアスクレピオスへ罰を与える為にケラウノスを投擲し撃ち殺したが、しかし我が子の死の真相を知ったアポロンはこれに激怒。 八つ当たりか逆恨みか、ケラウノスを作ったサイクロプスたちを襲撃すると次々に殺していき、遂には皆殺しにしてしまった為、ゼウスはその功績を認めて天に上げ、神の一員として迎え入れるとへびつかい座とした。 雷霆の製造所を破壊したアポロンは正規の神罰でお仕置きされ、オリュンポスの1年間の追放と人間の牧場での労働と言う罰を喰らった。 ケラウノスの製造所はヘパイストスが復旧したものと思われる。 そして魔神テュポンとの戦いでも使用されており、他の12神が逃げ惑う中勇敢にも立ち向かうものの、テュポンには全く通用せず、遂には敗れ去ってしまう。 だがリベンジ戦においてはモイラの策略もあって弱体化したテュポンへ投げつけ、弱らせたところにエトナ山を投げつけて見事封印に成功した。 ただし、原典に於いてはゼウスの方が弱体化されていない為、カオス同様に、テュポンは全能神の威光に焼き尽くされたとされていた。 なおこのケラウノスの力を宿したことでゼウスの「本性」は雷と一体化したので、セメレに自らの本当の姿を見せた際には変身した途端に一瞬で感電死させてしまうという悲劇を招いた。 この時、セメレーは「真の姿でヘラ様と行う夫婦の営み」をゼウスに願っている。 逆に言うと、ヘラはケラウノスをまともに受けても平然と耐えられる、少なくとも容易にダメージを負わない事が証明されている。 ヘラと同じく正妻だったテミスと行為中に恋人を雷霆で射殺されても碌なダメージを負わなかったデメテルの2人もヘラ同様にケラウノスが効かないか、かなり耐えられると思われる。 ヘパイストスは雷霆で痛撃を受けており、アポロンも「雷霆が有る限りゼウスに立ち向かっても敵わない」と理解して雷霆の製造所を襲撃しているので、神だから雷霆が効かないと言う訳ではない。 このように古代ギリシャにおいて雷とは神話における最高神の怒りそのものであり、当時のギリシャ人にとってもまさに畏怖すべき自然現象であったことは間違いないだろう。 正義の剣 実はケラウノスは正式な神罰の執行手段ではない。 正式な神罰の執行手段として 正義の剣 が存在しており、ゼウスとテミスの次女であるディケーが神器として所有している。 此の 正義の剣 は 正義の天秤 と対になっており、罪の重さを計って其れに応じた罰をゼウス、テミス、ディケーが相談した上で振るわれる。 雷霆の製作所がアポロンに襲撃されて働いていたキュクロプス達が殺された時でも、正式な神罰は問題無く機能した処を見ると、ケラウノスと 正義の剣 は別物である可能性が高い。 何方の威力が上か?と言う点は明言されていないが、 正義の剣 はゼウス、テミス、ディケーの三者が相談の上で振るわれるので、使用の手続きが面倒で最高神と言えども気軽に使えない代わりに、軽いお仕置きで済ませる事も出来るので威力の調節精度では上回っていると思われる。 創作におけるケラウノス あまりギリシャ語で呼ばれることはなく、もっぱら雷霆の名称で登場する。 ケラウノスそのものというよりは雷属性の武器や技名などに使われることが多い。 余談 ギリシャ神話と共通した要素を持つ古代オリエントに広がった他地域の古代宗教の主神達(メソポタミア、インド、北欧…etc.)にも雷使いが多く、彼等の使用する雷もまた雷霆と訳す用法が一般化している。 これ等の神々は、鍛冶を象徴する神性に雷霆を献上される構図まで一緒である。 日本でも雷は神鳴りであるし、神その物の象徴であった。 代表的な武神である建御雷神(たけみかづちのかみ)や、かの有名な学問の神、菅原道真なども雷神の類である。 俵屋宗達作・国宝「風神雷神図屏風」などは誰しも一度は目にしたことがあるだろう。 古代では大地に落ちる雷は、そのまま「父なる天」と「母なる大地」の交合=豊穣の象徴。 稲の妻と書くように、農耕民族として欠かせない信仰であった。 そのことから、稲と豊穣の神である稲荷神とも関係が深い。 また、雷が最初に人に火をもたらしたと真しやかに言われたりもしている神よりの贈り物、叡知の象徴でもある。 追記・修正はおへそをとられないようにお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] アポロンェ・・・ロバの耳とか妹関連とか、あいつはよくこういうことするけど -- 名無しさん (2019-03-14 09 10 46) 武器の形がよー判らん繋がりだとブリューナクに通じるかな。「(光の神)ルーの長い腕」と表現されるので槍説、鞭説、光そのもの説とかある -- 名無しさん (2019-03-14 10 44 05) サンダーブレークかな? -- 名無しさん (2019-03-14 13 56 20) パイルバンカーになったりもする -- 名無しさん (2019-03-14 16 12 38) DSのグウィンが投げる太陽の光の槍(雷)ってコレが元だな。宇宙そのものを破壊出来るって恒星の熱量は遥かに超えてるだろうし、はっきり言って電気や火で収まる次元じゃないよな… -- 名無しさん (2019-03-14 17 42 52) ↑プラズマやろねえ。それもゼットンの 火球でネタにしてたレベルの。 -- 名無しさん (2019-03-14 17 55 51) 科学が進歩して宇宙の実態を飛躍的に把握出来る様になり、宇宙自体が想像を超えるほど深遠だったため、そんな宇宙を破壊出来る代物を作ったサイクロプス達の評価も爆上がり -- 名無しさん (2019-03-14 19 12 35) ガンマレイ -- 名無しさん (2020-03-07 19 34 24) ここでいう「宇宙」は「世界(≒地球)」と同義であって、事象の地平面の彼方まで焼き尽くすという意味に取ることは厳しいと思う。 -- 名無しさん (2020-09-01 20 09 43) 新しい仮説だとピラミッドはロストテクノロジーとなった発電所と言うのがあります。その電気は稲妻に匹敵するのだとか。元ネタの可能性が急浮上していますね。 -- 名無しさん (2021-11-06 16 47 08) ガンマレイケラウノス! -- 名無しさん (2022-09-04 22 07 43) あのサイクロプスの皆さんとばっちりの上に泣き寝入りじゃないですか -- 名無しさん (2022-09-04 22 16 20) ↑ ギリシャ神話では日常茶飯事だから...(ゼウスとヘラの周りが特に -- 名無しさん (2022-09-04 22 33 15) 名前 コメント
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登録日:2011/05/13(金) 20 19 40 更新日:2024/04/18 Thu 23 39 45NEW! 所要時間:約 14 分で読めます ▽タグ一覧 アニヲタ神様シリーズ エッグモンスター ギリシャ神話 ケルベロス コメント欄ログ化項目 ディス・パテル ディズニー許すまじ ハデス ハーデス パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 プルトーン プルートー ヘラクレス ペルセポネー ラスボス扱いが多い 保健室の死神 冥王 冥王神話 冥界 冥界の神 半熟英雄 実はいい人 富める者 末弟 死の神 死者の国の王 真面目 石ころ帽子 神 神の不在証明 聖闘士星矢 苦労神 遊戯王 長男にして三男 風評被害 (´・ω・) 【概要】 ハデス(Hades)とはギリシャ神話における冥界の神。 本名は縁起が悪いということ“富める者”を意味するプルトーン(Pluton)とも呼ばれる。 何しろオリュンポスのトップ3の1人にして、死を統べる最恐の神だと考えられていたからである。 実際の神話内での主な役割は生前の行いから死者の死後の運命を決定すること。早い話が閻魔様と同じ役割。 この呼び名は本人ごとローマ神話に取り入れられ、プルートー(Pluto)の語源となった。 後に冥界が地下にあるとされるようになった事から鉱物の支配者にもなった。 “富める者”とは、そうした所から付けられた御名である。 親はクロノスとレア。 ゼウス等の長兄(*1)で妻はペルセポネ。ペットは冥府の番犬ケルベロス。 従者は三途の川の渡し守のカロンや死の神タナトス、あと侍女兼実務担当兼攻撃隊長の魔術の女神ヘカテー。 死を忌避する神話から威厳ある支配者として顕されるゼウスらに対して暗い表情の青年として顕されたり、絵画では恐ろしい怪物の様な印象が付けられたりしている。(*2) 神格的にもオリュンポス十二神から外れる様な神では無いのだが、後に冥界を畏れる信仰が一般化した為か外されてしまったらしい。 ……姿といい、後のキリスト教世界の影響による魔王的な扱いといい、風評被害が甚だしい。 【神話・伝承】 ■ティタノマキア ~神々の戦い~ 生まれた直後にガイアおばあちゃんとウラノスおじいちゃんの「産まれた子に権力を奪われる」という予言を恐れた父クロノスに、 姉弟共々飲み込まれてしまう。(*3) しかし、唯一飲み込まれなかった(*4)末っ子のゼウスによって助けられる。なお、この際に『産み直し』の扱いをされ、長兄から末弟にされてしまった。この頃から随分と偉そうな弟(兄)である。 クロノスらティターン神族との戦いでオリュンポス軍が苦戦する中、ゼウスは大いなる大地の予言に従い、 冥府タルタロスに幽閉されていた一つ眼巨人キュプロクス(サイクロプス)と百腕巨人ヘカトンケイルを解放した。 ハデスはこの時解放されたキュプロクスから二股槍バイデントと姿隠しの兜(*5)を貰った。 (`・ω・´)「よし、ステルス装備でクロノスたちの武器を奪ってやる」 てな感じでハデスの活躍でクロノスたちは武器を失い、ティタン神族は大幅に戦力低下し、オリュンポス軍が勝利した。 とまあ、いろいろあって戦いに勝利したオリュンポス軍だったが、何よりハデスがクロノスの武器を奪った事が大きく、 故にハデスこそが実質的なMVPとも言えるのだが、その功績の褒美は思わぬ形で帰ってきた。 ■くじ引きでの転落 ~ハデススパイラル~ ティターン神族との戦いの後、天界、海、冥界の三界の支配権を選ぶ際に何故か知らんがくじ引きで決め、冥界を引き当ててしまい、 地下の世界に押し込められ、神々からも敬遠されて誰も遊びに来ず、仕事が忙しすぎて宴会すら行けない逆VIP待遇。 ティタノマキアじゃかなりの功績を挙げたのにあんまりではないだろうか? なお、冥界の支配権は誰もやりたがらないために、仕方なくハデスが引き受けてやったというバージョンもある。 ■ハデス恋の季節 冥界でケルベロスと共に寂しく支配するハデス。ある日、大地の裂け目から地上を見ていたら花を摘んでいたペルセポネに一目惚れする。 しかし、内気な性格なハデスはどう告ったらいいか分からず、よりにもよって弟でペルセポネの父親のゼウスに相談した。 後々このことが大騒動に繋がるのだが、そんなこと分かる由もないハデスは、ゼウスとの相談で、 ゼウス(`・ω・)「女は多少強引な男に惚れるもんだぜ兄者☆」 ハデス(´・ω・)「そっか、分かったやってみる!あと、一応結婚の許可出してほしいんだけど」 ゼウス(`^ω^)b「(デメテルに聞いてないけど、別にいいよな)どーぞどーぞ」 みたいなやり取りを経て、このゼウスのアドバイスを真に受けたハデスは水仙の花を使ってペルセポネを誘い込み、地下へとさらってしまった。 が、母親のデメテルと地上を恋しがって泣くペルセポネに対し、ハデスはそれ以上強引な行動を取れなくなってしまい事態は膠着状態になった。 ここで強引に行かないのがゼウスやポセイドンとハデスの違いである。 一方地上では、デメテルがハデスの誘拐劇を知り、誘拐教唆犯…もとい、首謀者であるゼウスの元に怒鳴りこんだ。 ゼウス(`;・ω・)「俺じゃねーよハデスがやったんだよ」 と兄を売って責任逃れしようとするゼウスであったが、 デメテルJ(# 'ー`)し「真面目なハデスがそんなことをするわけない。どうせアンタが唆したんでしょ!」 と、デメテルは真相を一発で見抜いた。さすが信頼と実績のゼウスである。 (#・Д・)「あいつ王だし別にいいじゃん! 夫として不足はないだろ!」と開き直るゼウスに、デメテルはぶちギレて豊穣神としての役割をストライキ。 地上は大飢饉に見舞われた。 あと、この裏で起きたとある事件(後述)でゼウスは孫を失うハメに。 さすがのゼウスも…これには猛省っ! ゼウスは自分の提案である事を棚に上げて「娘さん帰してやってよ」と相談し、ハデスも「仕方ないね」と承諾した。 だが、ハデスも一目惚れしたペルセポネを手放したくなかったのか、 お迎えとしてヘルメスがやって来た際に喜ぶペルセポネは、冥界の果実ザクロを食べてしまっていた。 冥界の食物を食べた者は地上に還れないという規則があり、ペルセポネも晴れて冥界ファミリーの仲間入り! やったねハデス家族が増えたよ! という訳にもハデスの性格上いかず… 遂にゼウスは母神のレアーに泣きつき、その仲裁で「1年の3分の1だけ冥界に住む事」(*6)となった。 まぁ、ハデスは元々強引な性格では無くゼウスに騙さr…もとい唆されただけなので、それを快諾して事は片付いた。 このため、デメテルは愛娘が嫁ぎ先に行っている間は仕事をする気にならず、地上は1年の3分の1は作物が実らない季節になってしまったという。 これが冬の始まりとされる。 つまり冬に作物があまり取れないのはゼウスのせいってことで… なお、ペルセポネが地上に戻ってくるとデメテルが仕事をし始める(=冬が終わって春になる)ため、ペルセポネに春の女神という属性がついた。 ちなみに、話によってはハデスの誠実な人柄に惚れたペルセポネが自分から冥界のザクロを食べたというケースもある。 ■他のハデスの物語 蛇使い座アスクレピオス アポロンの息子で賢者ケイロンの弟子である医学の神・蛇使い座アスクレピオスの腕が死者さえも生き返らせる程に上がってしまい、 ハデス(´・ω・)「最近、冥界に人(魂)が来ないんだけど…ヤバくね?」 ゼウス(`・ω・)「仕事来ないのはつらいよね、お兄ちゃんに任せなさい!」 とゼウスに相談、ゼウスは雷霆でアスクレピオスを撃ち殺した。しかし、医学者としての偉業を讃え、星座にした。 尤も、最後の引き金になったヒッポリュトス(後述のテセウスの息子)の蘇生はアスクレピオスの叔母のアルテミスの依頼によるもの。 この2人、以前にもアルテミスの彼氏のオリオンを蘇生させようとして、ハデスに叱責された前科がある。 ヒッポリュトスは「義母からの不倫の誘惑を拒絶した逆恨みで殺された」と言う同情に値する死に方であったが、 アスクレピオスとアルテミスに関しては普通に叱責しても効く耳を持たないと判断されても仕方のない状況であった。 タンタロスとペロプス ペルセポネ神話の裏話。 リュディア王タンタロスはゼウスの息子(*7)であり、人間社会に生きる半神ながら神々の飲食物を振舞われる程父から寵愛されていた。 娘誘拐の怒りでストライキを続けているデメテルの機嫌を取るため、ゼウスはタンタロスの主催する宴会に他の神々と共にデメテルを連れて出席したのだが、 なんとタンタロスは息子のペロプスをシチューに調理して父や伯母に振舞うという凶行を実行。(*8) ゼウス達は口にしたシチューにペロプスの肉が使われている事に一口で気づき仰天してシチューを吐き出すも、 ペルセポネの騒動で心労が溜まっていたデメテルはペロプスの左肩部分が盛られていた自身の取り分を完食してしまった。 さしものゼウスも息子の凶行に激怒して、ハデスに「食べ物も飲み物も得られない」地獄にタンタロスを生きながら流罪にする(*9)ことと、 哀れにも父親の凶行によって理不尽に命を奪われた孫の蘇生を依頼。 そもそもこのパーティ開くことになったのはお前が原因だろと言いたいが、まさか自分の大ポカが息子のサイコパス発覚と孫の死に繋がるとか普通思わねーよな…… ハデスも(ゼウスに唆された結果とはいえ)自身に間接的な責任がある為、特別に「母神レアーが生命を吹き込み直す役を担当する」と言う条件でペロプスを蘇生する事にしたのだが、 デメテルが食べてしまった左肩部分は、遺体の回収と組み立て直しを担当したヘルメスと運命の女神クロートーをもってしても元に戻す事が出来なかった。 結局、デメテルが象牙を材料にペロプスの左肩を作り直し、ポセイドンがペロプスの後見を行う事で何とかこの騒動は収まった。 タンタロスは上記の流罪により沼の上に枝を広げる果樹に吊るされて沼の水を飲もうとすると水が引き、枝の果実に手を伸ばそうとすると風が吹いて枝が揺れて手に取れないという目にあったが、まぁこれは残念でもないし当然。 オルフェウスの悲劇 毒蛇に噛まれて死んだ妻・エウリュディケーを連れ戻すべく冥界を訪れた吟遊詩人オルフェウス。 彼の奏でる演奏は冥界の人々やケルベロスをも魅了し、それは王座で演奏を聴いたハデスとペルセポネも同様だった。 ハデス(´;ω;)「感動した!! 連れ出しを許可する!」 ハデスは『冥界から抜け出すまで決して後ろを振り返ってはならない』という条件を付けた上で、オルフェウスの後ろにエウリュディケーを従わせた。 しかし、冥界からもう少しで抜け出せるところまで来て、不安に駆られたオルフェウスは後ろを振り向いてしまい、それが妻との永遠の別れとなってしまうのだった。 あれ? なんか日本で似たような話聞いたことあるような……。 「見るなよ!見るなよ!絶対見るなよ!」のタブーは古今東西共通なのであろう。 日本神話と違い当事者はただの人間だったので、「毎日ギリシャ人殺してやるからな〜!」というほどの大喧嘩にはならなかったようだが。 ペルセウスのゴルゴン退治 ペルセウスに自身の神器である隠れ兜を貸している。 ヘラクレスの十二の功業 最後の冒険でケルベロスをミュケナイ王エウリュステウスに見せることとなったヘラクレスがハデスに謁見した。 ヘラクレスがこれまでの経緯を話すと、 ハデス(´・ω・)「ケルベロスを連れて行かれるのは困るけど、神託だったらしょうがないね、でも苦しませないでやってね」 と傷つけないことを条件に快諾したという。 ハルモニアの悲劇 ハルモニアは戦神アレスと美神アフロディーテの娘で「調和」を司る女神である。 アレスがテーバイ建国王カドモスと国の守護神になる契約を交わした際に、カドモスの王妃としてハルモニアが降嫁したのだが、その時に伯父であり母の元夫であるヘパイストスから婚礼祝いとして強烈な呪いが込められた首飾りを贈られた。 テーバイの国自体はカドモスとハルモニアの善政で平和と繁栄を享受するのだが、子供達が直接の落ち度が無いにも拘らず不幸な死に方をする事態が続出する(*10)。 子供達の相次ぐ悲惨な死に憔悴したハルモニアは自身が直接呪われていると勘違いした挙句、自ら不死性を捨てて、カドモスと共に国を出た後、蛇に変身して生涯を終えた。 娘の悲惨な末路を悲しんだアレスはハデスとゼウスに頼み込んで、ハルモニアとカドモスを善人が穏やかに暮らせるエリュシオン送りにして貰った。 カドモスもハルモニアも国民に優しい善良な君主だったので、普通にエリュシオン送りになっていた可能性は高いが、神が自ら不死性を捨ててハデスの下に行くという稀な事態だったのでアレスが心配になったのも当然である。 この話ではハデスは脇役では有るが、他の神からの評判が悪いアレスであっても我が子を愛する親心をしっかり受け止めて穏便な解決に持って行く良い仕事をしている。 メンテとミント 数少ないハデスの浮気話。 ハデスは地上のメンテというニンフ(妖精的な存在)に惚れ、淡い恋をしました。が、それに気付いたペルセポネが嫉妬から踏み潰して雑草にしたと言われる。 また、一説ではまたハデスが誘拐劇をするかもと危惧したペルセポネがメンテをミントに変えてハデスの目から隠してあげた、とも言われている。 ハデスが極悪に描かれている作品では、後者の理由。 またメンテのほうが先にハデスの愛人であり、後から来たペルセポネの不興を買って雑草にされたという説もある。 また、ペルセポネはこの時までハデスに愛情が無かったが、この時に嫉妬したことでハデスへの愛に目覚めたという説がある。 ディオニュソスとギンバイカ ディオニュソスはゼウスとアレス アフロディーテの孫娘セメレーの息子で、3/4が神、1/4が人間と言うクォーターである。ゼウスの自身の曽孫との浮気はヘラクレス誕生の時にもやっている。 セメレーはゼウスに「ヘラ様と夫婦の営みをする時の様に真の姿を見せて下さい♡」とゼウスに願い、「冥府の川ステュクスに誓ってなんでも一つ願いを叶える」と豪語したゼウスも其れを断れず、人間への変身を解除するが、ゼウスが身に纏う稲妻の威力には強靭な半人半神の肉体も耐えられずにセメレーは即死し、その魂は極悪人が堕とされるタルタロス送りとなった。電撃プレイがキツすぎた ハデス(´ ‐ ω ‐ )「ゼウスの浮気相手は何人も見て来たけど、ゼウスとヘラの曾孫の癖にお曾祖母ちゃんを故意に傷つける不倫は流石に性質が悪いよね。」 胎児であるディオニュソスはヘルメスの咄嗟の機転で救い出され、長じてタルタロスで無限の責め苦を受けている母を助け出そうと、ハデスとペルセポネの下に向かい、渾身の力作であるギンバイカをペルセポネに献上した。 オルフェウスの時と同様に ハデス(´;ω;)「感動した!! 連れ出しを許可する!」 となり、他の死者への示しを付ける為にセメレーは「テュオーネー」と改名することを条件にタルタロスから解放され、息子から分け与えられた神性と自前の神性で何とか神として認められるレベルに達した事でオリュンポスに迎えられた。 この時、献上されたギンバイカはペルセポネの母・デメテルに贈られてその聖花となり、後にアフロディーテにも贈られて聖花とされた。 レウケー 水のニンフであったレウケーはハデスに見初められて冥界に連れて行かれたが、不完全な不死の神だった為、死んでしまった。 それを悲しんだハデスはレウケーを白ポプラに変えた。それ以来、エリュシオン(善良な死者が穏やかに暮らす庭みたいな場所)には白ポプラが咲き誇っているという。 後に冥界へケルベロスを捕まえに来たヘラクレスによって冠にされるという悲劇に見舞われる。 恋人への想いが宿る木を傷つけられたハデスの心中はいかばかりか…。 ペイリトオス 珍しくハデスが怒った話。 テッサリアの王にして英雄のペイリトオスという男がいた。 彼は親友であるミノタウロス退治で有名な英雄テセウスとともに、数々の冒険に挑戦してきた… と言えば聞こえがいいが、実のところは殺戮に略奪を繰り返しギリシャ全土を荒らし回っていたようなものであったとも言われる。 そんな二人が互いの妻を亡くしたとき、彼らは相談を行った。 テセウス「俺たち英雄の妻っていったら、やっぱゼウスの娘っしょ」 ペイリトオス「それもあの子。 ほら、スパルタ王女の、めっちゃイケてる娘」 彼らが白羽の矢を立てたのはスパルタの王女ヘレネー。 しかしこのとき彼女はまだ12歳であり、当時から非難されるような年齢だったのだが、 そんなこと気にしないふたりは「勝ったほうがヘレネーを妻とするかわりに、負けたほうの妻探しに協力する」という条件でくじを引く。 そして勝利したテセウスがヘレネーを略奪し我が物とした(後に奪還されたため未遂に終わったが)。 そしてペイリトオスは自分にふさわしい妻を探すため、何を思ったかゼウス本人の神託を仰ぐ。 ペイリトオス「テセウスにあんたんとこのヘレネーたん取られちったから、この俺っちにヘレネーたんに負けない嫁をあんたの娘んなかから世話してもらえる?」 ゼウス(`・ω・)「ならばなぜわが娘の中で最も高貴なペルセポネを選ばんのかね」(*11) ペイリトオス「という神託をもらったぜ!」 テセウス「いや、冥府に行って帰ってきたヤツなんて殆どいないじゃん…こんな見え見えな罠に引っかかるヤツがいるわけ」 ペイリトオス「愛しのペルセポネたんが俺を呼んでいる!行こうぜ冥府!」 テセウス「いたよここにorz」 ペイリトオスはさすがというかこの神託を真に受けて、むしろ不安しか感じないテセウスを「おめー、俺の嫁探す約束じゃん?」と連れてはるばる冥府までやってくる。 しかも堂々とハデスの前に現れ謁見する。 ペイリトオス「おう、ハデス様。 ゼウス様がそうしろって言ったから、あんたんとこの嫁俺におくれ」 ハデス(´・ω・)(ほんとに来やがったよこいつら) ハデス(´・ω・)「はるばる冥府までようこそ。長旅で疲れたでしょ。とりあえずこの椅子にでも座って座って」 二人「「あ、はい」」 これを事前に知っていたハデスはやってきた二人を応対し、椅子に座らせる。 もちろんこれは罠で、二人が座った椅子は、座った者が全てを忘れてしまう「忘却の椅子」であった。 ハデス(´ ‐ ω ‐ )「馬鹿は死ななきゃ治らないけど、死んでも治らないならこうするしかないよね」 それから4年後、やってきたのは先述のヘラクレス。 ヘラクレス「それじゃ、ケルベロスお借りします…………ところで、そこの二人は?」 テセウス「」 ペイリトオス「」 ハデス(´・ω・)「うちの嫁さんに手ぇ出そうとしたからお仕置きしてる」 ペルセポネ誘拐未遂の共犯者であるテセウスだけはヘラクレスによって救い出されたものの、 主犯のペイリトオスは苦しみすら忘れて永遠に椅子に座り続けることになる(助けられたパターンもある)。 …あれ、ぬるくね? 尤も、テセウスは助けられた後、帰還したらヘレネーが冥府に行く前に預けてた母親ごと奪還されているわ、国は追われるわ、 逃げ延びた先の王に「コイツ王位奪い取りに来るんじゃね?」と疑われて殺されたりと散々な目に遭うので、ずっと椅子に座らされていた方がマシだったかもしれないが。 逸話や神話から分かるように仕事に関しては真面目だが、普段はやや内向的な性格。 死者に対しても生前の功業や悪行を公正に評価する仕事熱心な一方でオルフェウスの竪琴に感動し、チャンスを与えたり、 死者を生き返らせるアスクレピオスとアルテミスも一旦は叱責と訓戒で改心させようと試み、 不死の運命を返上した娘の善処を懇願するアレスの頼みに応じてエリュシオンに迎え入れ、 自分のせいで理不尽過ぎる死を遂げたペロプスは蘇生させ、同じく自分のせいで死んだレウケーは花に変えたりなど、基本的には優しく善良な人。 また、弟のポセイドンやゼウスが浮気や強姦しまくっているのに対し、ハデスにはその手の話がない。 3兄弟の中でも一番マシなのに冥界の王という肩書きだけでいろいろ苦労してらっしゃる不遇な神様。 【近代~現代のハデス】 ■価値観の変遷 とここまで閲覧してきて思うことがあるだろう… 「あれ? 俺の知っているハデスじゃなくね?」 「一番マトモじゃねぇか!!」 と。 現代においてハデスが魔王のように扱われるのは、なによりキリスト教の影響が大きい。 ギリシャ神話の「冥府」とキリスト教の「地獄」が混同された結果なのである。 またキリスト教においては死とは「罰」であり、最後の審判の日にその罰から人々を救うのが救世主イエスである。 なので死にかかわるものを神聖視するのはキリスト教にそぐわない価値観なのだ。 ちなみにキリスト教で「ハデス」という言葉は「地獄」そのものを指す。 加えて某アニメーション映画にヴィランとして登場したのが決定打となった。 まぁ、ラスボスの地位を与えられているだけマシかもしれない。 あと日本では人気漫画『聖闘士星矢』で悪役として登場したのも割と決定打になってる感じである。 最近では世界中で人気のようなので更に風評被害は拡大することであろう…。 ハデス(´;ω;`)「どうせ俺なんか…」 ハデス…貴方は泣いていい… ……皆さんもこの機会にハデスさんを再評価していただきたい。 少なくとも、三兄弟の中で一番の常識神である事だけは疑いようがない。 まあ、単純に人気が無くて神話が少なかっただけかもしれないが。 ……悪役とはいえ現代で活躍や名前が知れ渡っているのを喜んでいる可能性も……? ■登場作品ほか 「死後の世界の王」としてはおそらく世界で最もメジャーな神だけあって、現代でもあちこちでその名を見ることが出来る。 ただどちらかと言えば概要で挙げた理由からか、ハデスよりもプルートーの名のほうが広く使われている。 最も有名なのは近年小惑星に格落ちした冥王星(Pluto)だろう。 そして恐らく次点を争うのは、その惑星から名前を取ったミッキーマウスの飼い犬プルートと 天王(ウラン)から生まれる、莫大な富と膨大な死を同時にもたらす冥王の宝プルトニウム(plutonium)。 また上記のディズニーアニメでもヴィランを務めている。 日本では鉄腕アトム「地上最大のロボット」に登場するアトム最大のライバルのひとりプルートゥ、 「美少女戦士セーラームーン」のセーラープルートこと冥王せつな、「聖闘士星矢」に登場する冥王ハーデスあたりが有名だろうか。 あとはギリシャ神話をモチーフにしたゲームにも多数参戦している。 有名なところでは「半熟英雄」最強エッグモンスターとしての出演 (ハデデスというパチモンもいる)の他に、 「ヘラクレスの栄光」シリーズ、「新・光神話 パルテナの鏡」、遊戯王シリーズの冥界の魔王 ハ・デス、 「パズル ドラゴンズ」「モンスターストライク」などが有名。 ただいずれの作品でも基本的に傲慢にして野卑な冥界の暴君として描かれてしまっているが… 多種多様の神々やモンスターが登場するダークファンタジー「LORD of VERMILION」シリーズにもプルートーとして登場。 不死種族の切り札的存在であるが、死を司る邪悪な獣であり一息で何人殺せるかを楽しむ最低すぎる趣味も持っている。 シリーズ皆勤賞でありLORD of VERMILIONⅢでは何と主人公の1人イージアの相棒となった。とはいえ正義や人情に目覚めたわけではなく互いに利用するような役割である。 Ⅳではそんなイージアが転生した警察官の「マリエ」の銃に宿り、周りの人間の命を奪う切り札のような役割となった。 その一方Ⅲでは「ハデス」名義としても登場。要するに分裂した。 ギリシャ神話における人柄の良さやペルセポネとの恋愛劇などの要素はこちらが持っており、プルートーと違いコミカルなキャラクターとなっている。 なお名義が違っても設定上同一人物であれば同時に出撃できないシステムもあったが、この二人は組ませても特に問題はない。最も2人とも高コストの為一緒のデッキにする事はないと思われるが。 妻のペルセポネも喧嘩番長乙女として、ハデスに見つからないように脱走を繰り返すが門限までには帰るというツンデレキャラとして登場。こちらも使いやすい特殊能力を持っていた為かなり活躍した。 それ以外だと新・光神話パルテナの鏡のハデスさんが有名。 本家のハデスとは180°逆のおちゃらけたキャラクターとして一躍人気キャラとなっている。もちろんシリアスなシーンはあるにはあるが… 2020年にリリースされ世界中で高評価を得たインディーメーカーの2Dアクションゲーム「HADES」ではゲームタイトル通りの中核神物で、 「全方面に頑固で厳しいが、公正に物事を仕切る冥府の王様」という神話のそれに近いキャラクターになっている。 もっとも、ザグレウス王子(プレイヤーキャラクター)がやりたい放題で家出(冥府から地上へ脱出)しようと暴れるので頭痛が絶えないという気の毒なお父上でもある。 ザグレウスが脱出に失敗するとボロクソに煽って下さるのでプレイヤーのヘイトは常に最大値。この煽りスキルは息子のザグレウスにも感染しており、ザグレウスも会話シーンで中ボスその他をボロクソに煽る。殺伐。 (´;ω;`)「そんなのやだ! 神話に出てたかっこいいハデス様が見たい!」 …そういう人は素直にギリシャ神話を読むことをお勧めする。 読めば読むほど、恐るべき力を持ちながらけして軽挙妄動に走らず、 死の掟を粛々と執行する厳格さと深い思慮・情愛を兼ね備え、 さらには妻に甘く純情でお茶目な一面もある魅力的な冥府の王の姿が浮き彫りになってくるはずだ。 次点でギリシャ神話をそのまま漫画・映像化したもの、あるい神話ではなく古代ギリシャの人々を題材にした作品を読むのもいい。 『「世界の神々」がよくわかる本』のギリシャ神話編を漫画化したティタノマキア戦記では神々一の剣士として登場し ヒューベリオンを圧倒する活躍を見せている。 またソフォクレスの悲劇『アンティゴネ』では主人公アンティゴネが内乱の末に刺し違えた兄ふたりのうち一方は国葬をもって葬られたのに対し、 内乱を起こしたもう一方の兄は国の法に基づき見せしめのため野ざらしにとされたことにこう抗議する。 「死者はハデスの物であり、生前の行いのために辱めることは神々の掟に反する」 彼女はこう訴えて野ざらしにされた兄の遺体に砂をかけ、法を犯したとして処罰される。 国の法よりも古くより存在した神の掟の執行者として、ハデスは人心の上に君臨していたのだろう。 余談 生前の行いが良く、優秀であればハデスの部下としてスカウトされることがある。生前は高潔なる王でありゼウスに愛されたアイアコス、クレタ島の王にして優れた立法家であるミーノス、厳格かつ公平な裁定を下す裁判官ラダマンティスらが彼に仕えている。 またハデスをオリュンポスの神々に含まないとする事もあるが、これはゼウスの誘いを「オリュンポスに行けば冥界の運営に支障が出るから」と断ったためと言う説がある。これに限らず冥王になってからのハデスは無闇に冥府を離れないようになり、助言を行ったり道具や部下を貸したりすることが多くなる。ティタノマキアに続く神々の戦であるギガントマキアでは、自らは参戦せず配下のヘカテーを指し向け、また姿隠しの兜をヘルメスに貸し出している。ただこのヘカテーは戦力では主をもしのぐと言われるゼウスも一目置く大地母神で、かなりえげつない活躍をしているのであるが…(ヘカテーの項目参照) 何にせよ、冥府の王が分別のある神であったのはすべての生命にとって幸福なことであったろう。海王ポセイドンの怒りは大地を揺るがし海をあふれさせ、豊穣神デメテルの怒りは飢饉となって降りかかる。ならば冥王がもしほんとうに我を忘れるほど怒り狂ったとしたら何が起こるのだろうか… (´・ω・)「ペルセポネた~ん追記・修正ぃ~」 ペルセポネ「もう、ダーリンたら仕方ないわね♪」 追記修正は自らの命で冥界を賑やかにしてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 コメントログ 奥さんに浮気されたり、善人というよりお人よしゆえの損なエピソードも多い。 -- 名無しさん (2021-03-17 21 31 41) 注釈4で草生え散らかした -- 名無しさん (2021-05-07 11 41 17) 戦争を引き起こして大勢の人間を殺して、冥界を賑やかにしてくれるという事でアレスとエリス兄妹を滅茶苦茶可愛がってるとか -- 名無しさん (2021-06-11 19 35 39) パーシー・ジャクソンシリーズでも、冥界神としての姿は超おっかないけど人間体だとパンクっぽい見た目の気さくなおじさん。妻のベルセポネも妖艶な美女(冥界入りになった件は今でも根に持ってるけど、所々抜けてるハデスを見捨てられない) -- 名無しさん (2021-06-16 14 44 28) クソ真面目な人情家 -- 名無しさん (2021-06-17 21 17 36) 先日スイッチで配信開始された名前もそのまま「Hades」では放蕩家出息子に手を焼くガンコ親父として登場。ペットのケルベロスが息子の方に懐いているので複雑な心境を抱えたり、家出実行中死刑執行中の息子に実況中継で毒づいたり胃袋穴空きそうな生活送っていてめちゃくちゃ笑える -- 名無しさん (2021-06-26 20 30 49) ↑ いっつも書類の山に埋もれて仕事してて、アレを継ぎたいとは思わんよなあw でもすげーマトモな王様でもある -- 名無しさん (2021-07-07 10 21 28) 注釈2の下半神呼ばわりは草が生えますよ -- 名無しさん (2021-07-07 10 27 17) タンタロスの件はそもそもの原因はゼウスとハデスとはいえ2人(というよりゼウス)が全部悪いって言うのはタンタロスサイコパス過ぎだろってなった。 -- 名無しさん (2021-10-14 01 11 30) ディズニー版では自分が支配している冥府の川に封印されるという悲しすぎる結末でした... -- 名無しさん (2021-11-06 02 38 20) ヘスティアさまと同じくらい心優しく思慮深い神、くじ運はないに等しい。 -- 名無しさん (2021-11-17 20 10 35) 常識あるやつが馬鹿を見るのは、神話時代からご健在なんやな -- 名無しさん (2021-12-01 23 38 28) 「星矢」のハーデス「我々は300年待ったのだ!」 -- 名無しさん (2021-12-06 22 35 33) FF14のハーデスは責任から逃げ出さず背負い込む苦労人タイプと割と神話に近い性分だったなあ -- 名無しさん (2022-03-07 13 26 22) 原作のハデスを最も忠実に表現している派生作品は保健室の死神の派出須先生かもしれない… -- 名無しさん (2022-03-15 20 23 41) ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-08-07 21 40 46) 人々の死後を司る冥府の統治者が心優しく穏やかなハデス様で本当に良かった。 -- 名無しさん (2022-08-07 21 55 58) なんかキリスト教が積極的に貶めたように言ってる人いるけどハデスに関しては翻訳の都合による伝言ゲームの産物。明確な楽園でない死後の世界を統治する神がネガティブイメージ持たれるのは大抵そうだし -- 名無しさん (2022-10-15 17 23 05) ギリシャ神話の中ではヘスティアに次ぐ常識人かつ善人 -- 名無しさん (2022-11-18 03 32 59) 闇属性=悪とは限らない -- 名無しさん (2023-02-01 13 50 16) 『終末のワルキューレ』でも登場してたけど、厳しくも優しい弟想いの中身外見両方イケメンの神様で嬉しかった反面、ライバルの始皇帝に焦点が当てられすぎてたのが少し残念だった印象。だとしても珍しく良いキャラクターで描かれているので気になる方は見てほしい。 -- 名無しさん (2023-03-07 01 59 58) ここ読んでいても一番扱い良さげなのが半熟英雄じゃね? となるからなぁ…対エグモン特化要素を別としたら素スペックでラスボス以上というバケモンだし -- 名無しさん (2023-04-04 08 30 17) 「アリオン」という安彦良和の漫画での扱いは酷かった。まああの漫画はポセイドンとプロメテウス以外神様の扱いが下手すぎるが... ディズニーはラスボス扱いしてくれるだけでもはるかにマシレベル -- 名無しさん (2023-04-16 21 23 35) コメントをログ化しました。 -- (名無しさん) 2023-04-20 14 27 25 ↑×2 アポロン様意外軒並みひどい扱いだった。最高神であるはずのゼウス様さえ。 -- (名無しさん) 2023-04-25 18 53 51 我を忘れるほど怒り狂ったら、冥界から怪物や死霊などが地上や天上に溢れ出して、それらが人間や他の神達を襲って冥界に引きずり込む。謂わば地上と天上と冥界のバランスが修正不可能なくらい狂う。 -- (名無しさん) 2023-08-06 01 10 04 ↑同じ支配者でもゼウス様(浮気常習犯)やポセイドン様(怒らせると危険)と違って穏やかで理知的な人格者で良かった。(愛しのペルセポネに対しては一件を案じたけど) -- (名無しさん) 2023-09-08 19 26 27 アサシンやらゴッド・オブ・ウォーとかでもあんまりいいイメージないよな -- (名無しさん) 2023-10-28 01 08 47 真面目な人ほど貧乏くじ引きやすいけどハデス様なんかそのものやな。 -- (名無しさん) 2023-10-30 20 06 52 ↑まぁ実際あの三兄弟で冥界の支配者やってもらうのに適任な性格の持ち主だし本当に幸いだったなって……。ギリシャ神話的世界観で言えばくじ=運で決めるという行為は運命に委ねるってことだから適任になるのは必然ではあるんだろうけれど -- (名無しさん) 2023-10-30 20 19 47 名前 コメント すべてのコメントを見る
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登録日:2021/03/09 Tue 04 55 30 更新日:2024/03/13 Wed 11 58 21NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 Pegasus ギリシャ神話 テンマレンジャー←ではない ファンタジー ペガサス ペガサス幻想 ペガサス流星拳 ペガスス ポセイドン マイリトルポニー メデューサ ユニコーンは別物 何故かなかなか立たなかった項目 双子 天空のペガサス 天馬 幻獣 神話 翼 聖闘士星矢 馬 ペガサスとは、ギリシャ神話に登場する幻獣。 ペガソス、ペガススともいい、また、漢字では「天馬」と表記する。 母親にメドゥーサ、父親に海神ポセイドンを持つ由緒正しい存在である。 姿と性格 姿は皆様よくご存知の通り、白馬に翼が生えているというもの。 しかしそんな優美な見た目とは裏腹に非常に気性が荒かったようで、認めた者でなければ絶対に背中に乗せなかった。 そのため、後述するベレロフォンもアテナより金の轡と手綱を授かって御していたほど。 誕生と活躍 元々美しい女性であったゴーゴン三姉妹の末妹であるメドゥーサは、夜な夜なポセイドンと愛し合っては交わっていた。 しかし、その場所があろうことか処女神アテナの神殿だったため彼女の逆鱗に触れ、メドゥーサは姉共々怪物に変えられたのは既知の通り。 そのメドゥーサも、化け鯨を討伐するのに必要な邪眼を得るためにやってきたペルセウスによって、寝ているところを討たれた。まさしく寝首を掻かれたわけだ。 実はこの時メドゥーサはすでに妊娠しており、その亡骸から噴き出す血と共に誕生した双子の片割れ、それこそがペガサスである。優美なナリして誕生の経緯が意外とグロいな……。 ちなみにこの時、クリュサオルも同時に誕生しているが伝承がほとんど残っておらず、ペガサスに比べると超が付くほどマイナーと言える。哀れ。名前は「黄金の剣を持つ者」という意味。槍じゃないぞ。 誕生後、暫く経ってから泉にいたところをベレロフォンによって捕獲され、前もってアテナから授かっていた金の轡と手綱によって手懐けられる。 かくして彼の愛馬(愛天馬?)となり、キマイラ退治などの様々な戦で活躍するのだった。 だが天馬にも調子にも乗ったベレロフォンは、武勇を重ねるうちにあろうことか神の一柱になろうと考え、愚かにも神々の座すオリュンポス山目掛けてペガサスを駆るという行為に出る。 これに怒ったゼウスはベレロフォンを落馬させて殺害。残されたペガサスはそのまま天へ昇っていき、ペガスス座になった。慢心ダメ絶対。 落馬させた方法については諸説あり、ケラウノスを投げつけて撃墜したとも、アブを差し向けてペガサスの鼻を刺すように命じ、その痛みで暴れさせ振り落とさせたとも言われている。 天へ昇ったペガサスは英雄を助けたことを評価され、ケラウノスを運ぶ役割を与えられたという。 星座 88星座の一つとしてペガスス座がある。 秋を象徴する星座の一つで、四角に足が生えたような形をしていることから比較的見つけやすい星座である。その形はペガサスの上半身を表しているという。 同名の別の幻獣について ペガサスを漢字で表記すると「天馬」と書くのは前述の通りだが、中国神話には天帝の乗る馬として天馬という幻獣が存在する。こちらはペガサスと違って翼は生えていないという違いがある。 よく勘違いされやすいが『五星戦隊ダイレンジャー』のテンマレンジャーのモチーフはペガサスではなくこちら。 ユニコーンとペガサスの関係 翼の生えた白馬という、他に類を見ない姿であることから馬の姿をした幻獣としてはユニコーンと並んで有名。 ただ、ユニコーンは角が生えた馬であるのに対して、ペガサスは翼の生えた馬なので、そもそも姿が異なる。 ……だがどちらも馬をベースにした幻獣であることや、優美な姿でありながら気性が激しいという共通点が少なくないからなのか、混同されていることもしばしば。 実際に「頭に角、胴体に翼」というユニコーンとペガサスの特徴を併せ持つアリコーンという馬の幻獣も存在している。 ペガサスをモチーフとした、或いはペガサスの名を冠するキャラクターなど 上で述べた通り、ユニコーンと並んで有名な馬の幻獣であるためかキャラクターのモチーフとしてもよく使われる。 中でも有名なのは『聖闘士星矢』の主人公・星矢並びに派生シリーズの天馬星座の聖闘士か。 空を飛ぶ馬という連想からか、航空兵器や航空母艦及びそれに類するものの名前として使われることも多い。 天馬星座の星矢(『聖闘士星矢』) 天馬星座のテンマ(『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』) 天馬星座の光牙(『聖闘士星矢Ω』) 松風天馬、魔神ペガサス(『イナズマイレブンGO』) チェンジペガサス(『電撃戦隊チェンジマン』) ペガさん、ペガサスシシレッド(『宇宙戦隊キュウレンジャー』) ペガサスフォーム、ライジングペガサス(『仮面ライダークウガ』) ペガサス・ゾディアーツ(『仮面ライダーフォーゼ』) 天空のペガサスワンダーライドブック(『仮面ライダーセイバー』)仮面ライダーブレイズ ファンタスティックライオン(〃)※上記に加えて「ライオン戦記ワンダーライドブック」と「ピーターファンタジスタワンダーライドブック」の計3冊を使用 エリオス(『美少女戦士セーラームーンSuperS』、『美少女戦士セーラームーンEternal』) キュアパルフェ(『キラキラ☆プリキュアアラモード』) フレイムペガサス、サンダーペガサス(爆転シュート ベイブレード) 鋼銀河、ペガシス系統のベイブレード(*1)(『メタルファイト ベイブレード』) ヘブンペガサス(ベイブレードバースト) ペガサス・J・クロフォード(『遊戯王』) ペガサス級強襲揚陸艦/改ペガサス級強襲揚陸艦(『宇宙世紀ガンダムシリーズ』) ピエール(『ONE PIECE』) ファルシオン(『ドラゴンクエストⅥ 幻の大地』) スパイラル・ペガシオン(『ロックマンX5』) オルディオス(『ゾイド』) ペガサスエンジン(イギリス製VTOL戦闘機ハリアーのエンジン) X-47(米軍の試作無人機。2016年に開発中止) ペガサスナイト、ファルコンナイト(『ファイアーエムブレム』シリーズ) ペガサスセイバー(伝説の勇者ダ・ガーン) ペガシオン(電脳冒険記ウェブダイバー) パルキア(オリジンフォルム)(ポケットモンスターシリーズ) 魔ガサス、ウ魔(妖怪ウォッチシリーズ) ビコーペガサス(競走馬) ビコーペガサス(ウマ娘 プリティーダービー) ★余談 ポセイドンの子なのに何故馬?と思われるかもしれないが、ポセイドンは馬に関する逸話も多く、実際に馬の守護神としての側面もあったので何ら不思議ではない。 ギリシャ神話に登場する数ある幻獣の中でもメジャーなペガサスだが、兄弟であるクリュサオルの方は逸話がほとんど無く、伝わる姿もバラバラ。 ペガサスと同じ馬の姿とも、母であるメドゥーサを男にしたような姿(つまり蛇男)とも、武装した巨人の姿とも言われており、どのような活躍をしたのかも判っていないドマイナーな存在。 だが実はテュポーンの妻である蛇女エキドナの父親という説がある。その説に則れば、ペガサスはあの怪物たちの母の叔父にしてケルベロスやヒュドラなどの親戚に当たるという側面を持つことになるのだ。 ポセイドンと同じように、元々は古代ギリシャの先住民ベラスゴイ人の伝承に登場する存在で、後から入ってきた後のギリシャ人となる民族に征服され、伝承もギリシャ神話に組み込まれたと言われている。 また、分子生物学の分野では馬とコウモリ、そして犬など野獣類をまとめた分類群はペガサス野獣類という名で呼ばれている。 追記・修正は空を翔けてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ペガサスは本当にビューティフォーデース。 -- 名無しさん (2021-03-09 05 22 46) 意外にもペガサスをモチーフにしたポケモンが未だに登場していないのにびっくり -- 名無しさん (2021-03-09 08 28 05) クリュサオルって海闘士のクリシュナの鱗衣になってるくらいしかわからない… -- 名無しさん (2021-03-09 08 56 56) リアルではコウモリが馬に近いことが判明してペガサス獣類と呼ばれている。ちなみにペガサスフォームのクウガは古代においてゴオマさんを倒している。 -- 名無しさん (2021-03-09 09 13 57) ↑2一説にはいろんな怪物を生んだエキドナのパパ。クリュサオルの意味が「黄金の剣を持つ者」だとかで、そこから名前が変形して「クリセイオー」って剣を持つ騎士のお話が後世で書かれたり。 -- 名無しさん (2021-03-09 09 14 49) 気性の話は置いといて、背中に翼があるもんだからクッソ乗りにくそうって言われることも多いよね。 -- 名無しさん (2021-03-09 10 19 27) 幻獣の中でも高い知名度なのに今までなかったのか -- 名無しさん (2021-03-09 11 37 56) 乗り物やモチーフとしての登場は多いけど、単独のキャラクターとしてはほぼ居ないと言っていいレベルだからね。居たとしても喋らないから、絵面としては目立つけどキャラとしては弱いというか。 -- 名無しさん (2021-03-09 11 49 56) 毒を浄化する力を目当てにストーリーに絡んだり元と真逆の性格付けされたりしてるユニコーンと比べると「飛べる馬」っていう要素が便利なアイテム扱いされやすいのがね。あと翼の位置にもよるけど鞍着けづらい -- 名無しさん (2021-03-09 14 33 59) 「姿と性格」の「後述するベレロフォンもアテナ神の金の轡と手綱なしを授からざるを得なかった。」のくだり、ちょっと意味が通りづらいので「ベレロフォンも手懐けるためにはアテナ神の金の轡と手綱を授からざるを得なかった。」とするか「ベレロフォンもアテナ神の金の轡と手綱なしでは手懐けようがなかった」としてはいかがでしょう?」 -- 名無しさん (2021-03-09 19 08 54) ロックマンシリーズではX・ゼロ・流星の3作品でボスモチーフとして採用されているんだよな。相方のユニコーンは一度もないのに -- 名無しさん (2021-03-09 22 05 08) ドラえもん のび太の日本誕生のペガは? -- 名無しさん (2021-03-09 22 39 22) 現実的にはマッチョ馬 -- 名無しさん (2021-03-09 22 49 41) スーパースターマンこと目立くんの愛馬も ハリボテの翼が哀愁を誘うぜ -- 名無しさん (2021-03-10 18 01 47) 神話の一つ、ヘリコンという山が突然グングン伸び始めてゼウス達の住むオリュンポス山に並び立つのも目前に迫った時、ペガサスが現れて山頂をガンガン踏みつけて元の高さにまで縮めた。ペガサスが踏み続けた場所は蹄の形なって割れて水が湧き、ヒッポクレネという泉になり、その水には芸術性を高める力があって、ムーサやニンフ、芸術家や予言者が泉の周りに憩ったという -- 名無しさん (2021-03-10 20 21 17) ↑3無理やり飛ばそうとしたら、翼やその根元だけ超マッチョでほかは貧相になるだろうな。足なんてヒョロヒョロで走ることもできなさそう -- 名無しさん (2021-03-10 22 10 24) ヘラクレスの栄光シリーズでは空の乗り物としてお馴染み。特にIIIでは移動手段として以外でも輝いていた -- 名無しさん (2021-03-21 17 05 15) イメージが固まってるせいか大体白馬でサラブレッド体型よね。ばんえい馬みたいなクソデカペガサスとか、ポニーみたいなちっちゃくて可愛いのがいてもいいと思うの。 -- 名無しさん (2021-03-21 17 37 25) タイタンの戦いでは黒馬だったよ -- 名無しさん (2021-03-21 18 11 59) 知らなかった、ペガサスに兄弟がいたなんて。 -- 名無しさん (2022-04-30 20 05 24) 天馬もペガサスもほぼ同じものってことでいいと思うけどな。東洋龍と西洋ドラゴンが一緒くたにされているのと同じような物だろう。 -- 名無しさん (2023-03-03 22 19 34)
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登録日:2015/12/05 Sat 01 58 58 更新日:2023/09/05 Tue 19 23 20NEW! 所要時間:約 7 分で読めます ▽タグ一覧 お母ちゃん アニヲタ神様シリーズ オリュンポス十二神 ギリシャ神話 ディシア デメテル 三相女神 二女 冥府下り 四季 地母神 大地 大川隆法 封印されし地母神 老婆 豊穣神 ■デメテル 「デメテル」はギリシャ神話に登場する女神。 オリュンポス十二神の一柱で、麦の穂や藁で編まれた松明を持つ豊穣を約束する大地の女神である。 一般的には娘のペルセポネの「冥府下り」に纏わる神話で知られるが、宗教学的には古代ギリシャのを代表する密儀の一つである死と再生の秘儀「エレウシス密儀(テスモポリス祭)」の主神としても重要視されており、デメテル・テスモポリス(掟を齎す者)の呼び名が捧げられている。 ローマ神話ではケレス(セリーズ)と習合した。 ケレスはより秘神的な性格が強い神性で、古代ローマでは犠牲者が出るとケレスに犠牲を供したともされる。 【出自】 ゼウスら6姉弟の二女で、ポセイドンと同様に後の生み直しでもポジションが変わっていない。 ゼウスとの間に穀物の種を象徴する女神ペルセポネを産んでいる。 「伏床に入り」とはポセイドンとの聖婚を示した記述だが、後に物語性を強調した解釈により例の如く夜這いやレイプとされてしまっている。 元来は古代メソポタミアに起源を持つ豊穣の女神であり、娘のペルセポネと併せて属性を分け合った同じ女神であったと考えられている。 ……仲良し親子なのも当然なのかもしれない。 また、本来は馬の頭部を持つ黒衣の女神であったとも伝えられており、後に姉弟とされたポセイドンとは妙に因縁のある神性同士として婚姻や敵対の神話が残る。 余程、夫婦仲が悪かったと見える。 他には英雄イアシオンと恋に落ちてクレタにてプルゥトスなる子を産んだとの記述があったが、後に畑でセッ○スしてるのを目撃したゼウスの嫉妬により雷に射たれて殺された事にされてしまった。 イアシオンはゼウスの息子設定の筈だったのに(母親はエレクトラ)……。 【ペルセポネ神話】 デメテルとペルセポネは豊穣を司る神として平穏に暮らしていたが、冥界の神ハデスがペルセポネを見初めてしまった。 ハデスは兄弟であり、天界の支配者たるゼウスに仲介を依頼。 これを聞いたゼウスは冥界で隠遁生活を送るハデスへの同情もあり、デメテルには秘密裏に誘拐計画を進める事にした。 何となく違和感を感じていたデメテルはペルセポネをシチリア島に隠していたのだが、ハデスは美しい水仙でペルセポネを誘い出すと、馬車と共に地を割り出現して、そのままペルセポネを冥界に拉致してしまった。 ※冥府の王であるハデスのみは地上と地下を自由に行き来出来るともされている。 娘が消えた事に動揺したデメテルは方々を探すが、地上にはペルセポネの痕跡が無かった。 しかし、それに文字通りの光明を差したのが太陽神ヘリオス。 一部始終を見ていたヘリオスはデメテルにハデスがペルセポネを攫った事を伝えたのである。 姉弟の中で最も害の無いハデスがそんな事をする訳が無いと看破したデメテルはゼウスを詰問し、今回の拉致が最高神の決定の下に行われた事を知る。 (主に)ゼウスとハデスの横暴を恨んだデメテルだが、最高神の決定を覆せる術は無く、デメテルは怒りと絶望の中で地上に降ると、豊穣神の仕事を放棄して老婆の姿になりエレウシスに隠遁してしまった。 尚、ペルセポネを探す為にデメテルが各地を放浪していたのはこの時期とする説もあり、各地に説話が残っていると云う。 更なる余談として、ポセイドンがデメテルに欲情して無理矢理に関係を迫り、馬に変身して逃げた彼女を自らも馬に化けて追いかけてレ○プしたのはこの時の事だと云う。最高神や冥界神よりも海神の方がクズ……ハッキリわかんだね(呆れ)。 ※ポセイドンが求愛の証を要求したデメテルに馬を贈る神話があるが、その変形……なのかもしれない。 この時にデメテルは名馬アレイオンと「女主人(デスポイナ)」と呼ばれる娘を産んでいる。 子供の真の名前は秘されており、デメテルの秘儀参加者にしか明かされる事はなかったと云う。 また、ゼウスはこの時期にデメテルのご機嫌を取ろうと息子のタンタロス主催の宴会にデメテルを連れ出したりもしているが、 タンタロスは何を思ったか自分の息子のペロプスを殺してシチューにしてゼウス達に差し出すという凶行に出た。 タンタロスの凶行に気付いたゼウス達はシチューに手を付けようとしなかったが、娘のことで心身衰弱していたデメテルだけはそれに気づかずこれを食べてしまう結果に。 ……さて、デメテルの仕事の放棄により地上では植物が枯れ果てて、作物も実りを止めてしまった。 ちょっと日当たりは悪いがハデスが夫に相応しいと強弁していたゼウスも流石にこれには困り果て、例の如くヘルメスをデメテルの下に送り機嫌を直すように説得した。 しかし、デメテルはペルセポネを自分の下に戻す事のみを条件に説得を拒否。 ゼウスもやむなくハデスにデメテルの願いに応じるように依頼するのだった。 あとペロプスの蘇生とタンタロスの処罰も頼んだ だがだがしかし、そこは流石の冥界の王。 ゼウスの決定には逆らえないが一計を案じて冥界の食物であるザクロをペルセポネに薦め、彼女にそれを食べさせる事に成功したのである。 こうして地上に戻ったペルセポネだが、ザクロを口にしていた事で身の三分の一は冥界の住人になっていた。 そして、遂に自分の不誠実が原因で事態が拗れに拗れてハデスからもデメテルからも突き上げを食らったゼウスは母神レアに泣きついた。 レアの仲裁により一年の三分の二をデメテルの下で、三分の一をハデスの妻として冥界に暮らす事を定められたと云う。 ……言うまでもなく、古代メソポタミアが起源とされる「冥界下り」と食物神の復活のギリシャ版であり、四季のあるギリシャではペルセポネが冥界に降る時期がデメテルの嘆きの時期=冬季の到来とされたのである。 尚、ペルセポネは後にハデスが見初めた川の精メンテをミント草に変えてしまう等、ハデスへの愛情を普通に抱いていた模様(後の創作では騙された恨みに関するエピソードも追加されている)。 ……暗い地下世界と地上をハデス以外の者は自由に行き来するのが難しいと云う制約があるとは云え、お母ちゃんそこまで怒らなくてもよかったんじゃ……。 デメテル「娘を想う母親の気持ちを無視するんですか?名誉毀損で訴えますよ?」 とはいえ、巻き添えを喰らったペロプスについては蘇生の際にデメテルが左肩を食べてたために新しく象牙で左肩を作ってあげている。 ……この他のペルセポネ様に関わる神話としては美の女神アフロディテと取り合った美少年アドニスに関わる話がある。 実はアフロディテもまたデメテル親子と同じく古代メソポタミアを起源とする豊穣の女神の系譜に属する神性であり、アドニスはメソポタミア系の「冥府下り」の神話で犠牲となった植物神タンムズを原型とすると考えられている。 やや唐突にも思える神選はこうした経緯から取り入れられたのかもしれない。 余談だが、のちにゼウスは「うちの娘を嫁に欲しい?だったらなんでペルセポネを選ばないんだよ」などという神託を下したことがあるが、この事をデメテルがどう思ったのかは不明。 【各地のデメテル神話】 ペルセポネ神話では娘の行方を探し求める母親の哀しみを強調されているデメテルだが、前述の様に死と再生に関わる密儀の主役となるだけはあり、その豊穣の属性の裏側には死を与える真逆の属性も併せ持っている。 信仰の中心地であり地上での隠遁の地とされたアッティカのエレウシスでは、土地の王ケレオスに迎え入れられたのに感謝して王子デモポンの乳母係を申し出た。 デメテルはよかれと思い王子の肉体に神の食物アムブロシアを塗り込み、人間の肉体を火の中で焼き捨てるのを繰り返していた。 偶さかにそれを目撃した王妃メタネイラは息子が殺されると思いそれを咎めたが、逆ギレしたデメテルは女神の正体を明かした上に謝罪と戻って来る予定(仮)の娘と暮らす為の神殿の建立を要求したと云う……。 デメテル「謝罪を要求します娘を探す母親(女神)を疑うんですか?」 メタネイラ「( ´゚д゚`)エー」 この他のデメテル様の放浪時代の神話としては麦の栽培や豆や無花果の栽培を教えたエピソードが各地に残っているが、ブラックな神話としてはテッサリアのエリュシクトンに纏わる残酷なエピソードがある。 デメテルの霊木を切り倒してしまった彼は、デメテルに尽きる事の無い飢餓の呪いを受け、最後には自らを食い尽くして死んだと云う。 【エレウシス密儀】 「幸いなるかな、大地に住まう人間のなかでこの秘儀を見し者よ……」 ホメイロス デメテルとペルセポネの神話はギリシャにて死と再生の願い=不死の願いの信仰を生んだとされている。 それがエレウシス密議と呼ばれる秘祭であり、志願者は厳しい断食を含む数日間にも及ぶ入門儀式(入聖式)を経なければ参加すら認められなかったと云う。 祭にはアテネ近郊アグナイで行われる春の小祭とエレウシスのテレステリオンで行われる秋の大祭があり、小祭参加者で無ければ大祭への参加資格は無かったと言われている。 ギリシャの秘儀の共通として祭の詳しい内容は当時としても参加者にしか明かされていなかった為に全容は不明だが、海水による沐浴と生贄とする子豚を食らう事が記されている。 死と再生の秘儀として参加者は冥界への旅を擬似的に体験したと語られており、特に大密議と奥義密議と呼ばれる段階の秘儀に関しては一切の口外を禁じられていた。 エレウシス密儀の儀礼を寓意化した絵画図には亡者の群れを川の流れに見立てて地上と冥界が分かたれる構図が描かれており、参加者がペルセポネと共に地上と冥界を行き来し、その旅路の成功をデメテルに祈る密議の本質が顕されているのだと云う。 この密議は女性しか参加出来なかったともされるが詳細は不明。 「これらの密議を見たあとで冥府に下る者は三重に幸せなるかな、彼らのみがかの地で真の生命を得るのだ」 ソフォクレス 追記修正は娘を探し出してからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] まぁこのくらいなら優しいのとおっかないのが共存して、女神としてちょうどいい気もするんだけどな…何せ他の女神連中が怖sうわなにを(ry -- 名無しさん (2015-12-05 08 57 11) べルセポネはエロースとプシュケーの神話にも出てくるね。そのころに描かれる姿は冥府神の妻らしく結構おっかないけど -- (2015-12-05 14 03 28) ゼウス「俺が犯した話は乗ってないな・・・せふせふ(^ω^*)」 -- 名無しさん (2015-12-05 14 13 18) ↑3 同意。これくらいの塩梅が一番いいのかもね。ヘスティアさんとヘラ様の間だけあるというか......。 -- 名無しさん (2015-12-05 19 04 48) 馬の顔と聞いてパーティグッズの馬マスク被ってる姿を想像してしまったw -- 名無しさん (2015-12-05 19 19 38) これでもギリシャ神話の神では温厚だしな。娘のことだと全人類と神々を餓えで殺しかけたけど -- 名無しさん (2015-12-06 21 09 33) fate/extra cccでガトーが言ってたけど、「豊満な胸は確かに母の象徴。豊穣の女神や地母神は軒並み巨乳である。なにしろ山脈の擬神化であるからな」..................この人もおっぱいデカイのかが、真面目に気になる。 -- 名無しさん (2016-03-28 17 28 07) テセウスとペイリトオス見たらブチ切れると思う -- 名無しさん (2016-10-24 19 47 34) 別にクズ行為多すぎてこいつ英雄に数えて良いの?って昔の知識人が真面目に議論するレベルの問題児であるテセウスがキレてもな。 -- 名無しさん (2016-10-29 01 03 16) ギリシャの女性はクズの被害者である事が多いが、デメテルさんも割と酷いな… -- 名無しさん (2017-07-31 20 10 49) 逸話聞くと怒るとめっちゃ怖いけど理不尽な怒り方や裁きはしないイメージだわ。親バカが過ぎるのがアレだけど -- 名無しさん (2017-12-14 20 51 38) ↑5 FGOの異聞帯デメテルはガトーの言った通りでした(ただしアバター、本体は他のFateギリシャ神同様に機械) -- 名無しさん (2020-06-12 12 32 25) 3人いる兄貴の内、2人から強姦され1人には愛娘を拉致られるとことん兄貴運のないお方 -- 名無しさん (2021-06-11 19 50 58) 温厚な母親でも怒ると怖いという実例 -- 名無しさん (2021-11-28 08 58 23) 日本でいう、鬼子母神的な側面か -- 名無しさん (2022-05-06 04 00 39) 母は強しを地でいく女神さま、豊穣を司る神格だけに怒らせるとさすがの最高神でもお手上げになる。(母上になんとかしてもらうけど) -- 名無しさん (2022-05-06 06 07 12) ...個人的にすごく勝手なイメージだけど、オリンポス十二神の女神の中で最巨乳なイメージ あくまで一個人のイメージです -- 名無しさん (2022-05-17 09 41 44) ペルセポネ誘拐事件はキレて当然 デメテルさんじゃなくても自分の息子やむす -- 名無しさん (2022-11-18 03 55 03) ↑9 まあ、エリュシクトンの場合は、デメテルの霊木を切り倒した本人が悪いけどね。 -- 名無しさん (2022-12-24 14 32 16) 蛮行がすべて復讐だから単純に同情しちゃう。 そりゃ泣き寝入りする女性キャラに比べたら人気は出にくいだろう。 -- 名無しさん (2023-06-27 14 01 23) ルーツ一人の女神をギリシャ神話に併合するにつれ母と娘に別れたのが興味深い。 -- 名無しさん (2023-06-28 21 42 50) 母親に仲裁してもらう神々のトップなんてゼウス様だけやろの。 -- 名無しさん (2023-08-07 20 42 35) 娘を溺愛しているが夫に対してはそれほどでもない感じ(当たり前だろうけど) -- 名無しさん (2023-09-05 19 23 20) 名前 コメント
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登録日: 2018/03/04 Sun 19 51 12 更新日:2024/04/21 Sun 18 56 53NEW! 所要時間:約 11 分で読めます ▽タグ一覧 アニヲタ神様シリーズ エリュシオン ギリシャ神話 クロノス サターン サトゥルヌス ゼウス被害者の会 タルタロス ティタノマキア 丸呑み 児童虐待 去勢 大地の神 子殺し 我が子を食らうサトゥルヌス 時 時の支配者 時の神 時の翁 時間 権力闘争 父神 神 神話 穀物 簒奪者 蛇 親子喧嘩 親殺し 農業 農耕神 近親相姦 鎌 黄金時代 クロノス(英:Kronos 古代ギリシャ語:Κρόνος)とはギリシャ神話の神で最高神ゼウスの父である。 オリュンポス神族の前に宇宙を支配していたティターン十二神の長で、農耕の神そして時間の神としても知られている。 シンボルは「鎌」「穀物」そして「蛇」。 なおクロノスの神話は大地母神ガイアとのかかわりが深いので、 こちらの項目も参照されたし。 【概要】 クロノスは原初神たる大地母神ガイアと天空神ウラヌスとの間の子である。 彼は自らの父である天空神ウラノスを倒し兄弟姉妹のティターン十二神らを率いる宇宙の支配者となった。 クロノスらティターン神のもとで人類は悩み苦しみから解放され、大いに繁栄した。 人々はそれを称えて、クロノスが世界を統治した時代を「黄金時代」と呼んだ。 しかし自らも子であるゼウスに倒され、宇宙の覇権の座をオリュンポス十二神に明け渡してしまうのである。 ○出自・名前について クロノスは元来ギリシャの先住民族に信仰されていた農耕神であったと考えられている。 その名は「完全なもの」「純粋なもの」を意味する。 また妻のレアと同じく「流れゆくもの」という意味もあり、妻とともに川の神であったのではないかという説もある。 時間を神格化した神でそのものずばり「時間」を意味する名を持つクロノスと同一視されたのちは、 彼の名もまた「時間」を意味する言葉として定着した。 ○血縁について 先述の通り、クロノスはガイアとウラヌスの間の子である。 ガイアとウラヌスの間にはサイクロプス三兄弟、ヘカトンケイル三兄弟、そしてティターン十二神らが産まれた。 クロノスはこのティターン十二神の末弟に当たり、サイクロプスやヘカトンケイルらともまた兄弟ということになる。(*1) クロノスはウラヌスを追放したのちに姉であるレアを妻とし、彼女との間に 火炉の女神ヘスティア 大地の母神デメテル 愛と絆の女神ヘラ 冥王ハデス 海王ポセイドン 最高神ゼウス という六人の子をつくった。 あと、オケアノスの娘ピリュラ(*2)との間に、のちに賢者とたたえられたケンタウロス族のケイローンをもうけた。(*3) ○外見について クロノスは元来、偉大な父ウラヌスに挑みそして倒した神であるため才気あふれる若者の姿で描写されることが多かった。 しかしゼウスの父として認知された後は、豊かな髭をたたえた威厳ある老人の姿として表された。 その後「時の神」として定着すると、いわゆる「時の翁」(*4)の姿が定着した。 手には鎌を握り、砂時計(あるいは水差し時計)を携えているいかめしい老人の姿で、 現在でも絵画や像などのデザインとしてしばしば用いられている。 ○性格・能力など 父を倒し権力を奪ったクロノスは、やはりその性格は狡猾でありながら果敢だと伝わっている。 覇権を得るためには謀略をめぐらせて父を討ち、生まれたばかりのわが子であろうと容赦なく丸呑みにしてしまう。 また自らの身に危険が及ぶと判断すれば兄弟であっても幽閉し母との約束であってもためらいなく反故にしてしまう。 反面、恐れを知らず兄たちを説き伏せ父に立ち向かうといった果断さもある。 何より為政者としての有能・有徳さは上記された点を考慮しても、なお誰もが認めるところである。 後述する通り彼はその農耕の技術によって人々を苦痛から解放し、法によらず徳によって人心をまとめ秩序を産みだしてみせた。 彼の治世が黄金時代と呼ばれるゆえんである。 【ギリシャ神話のクロノス】 クロノスは原典たるギリシャ神話において、主神であるゼウスに倒されるべき敵として存在していた。 しかし古代ギリシャにおいても、人々に大地の恵みをもたらす神として大いに信仰された。 後にはローマの神や時間の神と習合され、敗れ追放されてもなお威厳をたたえた時の神として現在に至るまで語り継がれている。 ○誕生、そして父への反逆 ガイアから生じたウラヌスはガイアと交わり、ティターンや一つ目の巨人サイクロプス、 百の腕を持つヘカトンケイルらを産ませた。 しかしウラヌスはサイクロプスやヘカトンケイルの醜さを厭い、タルタロスへと押しこめてしまう。 クロノスはガイアよりアダマスの鎌(*5)を受け取ると兄や姉らにも反逆に参加するよう説き伏せる。 これに応え四人の兄たちがクロノスに助力することとなった。(*6) 4人の兄は天の東西南北の四隅にひそみ、クロノスはガイアの下でウラヌスを待ち受ける。 クロノスがニュクスを伴い(*7)ガイアのもとへ降り立ってくると、すかさず四方から四人の兄が父を押さえつけた。 そして身動きの取れなくなったところを、クロノスがガイアから授かった鎌でウラヌスの男根を斬り落とした。 こうしてウラヌスは神威を失って追放され、クロノスがあらたに宇宙の覇権を握ることとなった。 しかしクロノスは恐るべき力を持つ巨人たちをついに開放しようとはしなかった。 それがガイアの怒りをかい、後述のティタノマキア勃発の原因となるのである。 ○黄金時代 父ウラノスを追放したクロノスは姉であるレアを妻とし、ティターン十二神の長として宇宙に君臨した。 そして大地と農耕の神であるクロノスは、その力で現世に理想郷を創りあげたのだ。 クロノスの力で大地からはおのずと果実や作物がもたらされ、人々は労働の苦しみから解放された。 彼らはみな長命で、その生の終わりにはやすらかな死を迎え、生老病死の苦しみも味わうことが無かった。 人は神々とともに暮らし、人心は徳によってまとめあげられ、法によらず平和と調和がもたらされていたという。 この黄金時代はゼウスの治下にあっても続いていたが、プロメテウスが人々に火をもたらしたことで終わりを告げたとされる。 ○ティタノマキア 約定をたがえわが子らを解放しなかったクロノスに、ガイアは呪いともとれる予言を投げかけた。 「お前もいずれ、わが子に王位を奪われるのだ」 クロノスはこの予言を恐れ、レアとの間に出来た子を次々に腹の中へと飲みこんでしまう。 レアは悲嘆にくれ、夫を裏切り子を守ることを決意。 母であるガイアの助力を得てゼウスを夫から隠したのである。 成人したゼウスはガイアらの助けを得て兄姉たちをクロノスの腹の中から救出。 彼らとともに団結し父に戦いを挑んだ。 クロノスとオケアノスを除く四人の兄らはティターン神族を集めこれを迎え撃った。 ここに宇宙の覇権をめぐる争いティタノマキアが開戦したのである。 しかし長兄オケアノスと女神らはいちはやくオリュンポス側に与した。 それでも神々の戦いは熾烈を極め、10年を経てもまだ決着はつかなかった。 そこでガイアの助言を得たゼウスは、タルタロスからサイクロプス三兄弟と ヘカトンケイル三兄弟を解放し味方につける。 サイクロプスは強力な武器を作り出し、ヘカトンケイルは岩山を雨あられと投げつけて援護する。 絶大な力を持つ巨人たちの助力を得たゼウスたちはついに勝利し、 クロノスと四人の兄らをタルタロスに幽閉した。 こうしてクロノスの支配は終わりをつげ、ゼウスらオリュンポス十二神の治世が訪れたのである。 【ギリシャ神話後のクロノス】 ティタノマキア後にタルタロスに幽閉されたとされるクロノスだが、 その後解放されたとする伝承もいくつかみられている。 またゼウスに敗れた神でありながら、それ以降も人々に篤く信仰されていた。 そして他の似た要素を持つ神々を習合していき時間をつかさどる神となり 威厳に満ちた神として現在に至るまでその権威を維持し続けている。 ○幽閉と解放 ティタノマキア後、敗れたクロノスは四人の兄と多くのはティターン族とともにタルタロスへ幽閉された。(*8) ゼウスは門番にヘカトンケイルを立て、いまでも彼らをそこに閉じこめている。 ・・・とされることが多いのだが、ゼウスが彼らを解放したという伝承もある。 解放されたクロノスは西方のオケアノスの領域のさらに彼方、常世の国エリュシオンの王となっているという。(*9) クロノスはエリュシオンをかつての黄金時代と同じようにやすらかに治め、 許された人々とともにそこにあるのだという。 ○ローマ神話において クロノスはギリシャの主神であるゼウスに敗れた神である。 しかしそのギリシャでは、なおも民間でクロノスが信仰され続けていた。 彼は大地の恵みをもたらす農耕神として、人々に篤く信仰されたのである。 その後クロノスはローマ神話のサトゥルヌス(サターン)と同一視されるようになった。 サトゥルヌスはクロノスと同様に鎌を手にした農耕神である。(*10) ローマでは年の瀬になると彼へ感謝をささげるための収穫祭が盛大に執り行われた。(*11) ローマ神話では、オリンポスを追われたクロノスがイタリアに落ちのびヤヌス神に迎えられ、 現地民たちに農業を伝え法を制定し黄金時代を築き上げたとされている。 そしてその息子がローマ帝国皇帝の祖となったのだという。 ○時の神クロノスの成立 時代・地域を問わず、農耕神は時をつかさどる神として扱われることが多かった。 農耕はめぐる季節とともになされる行為であり、時間を把握することは重要なことだった。 日本でも年の始まりを告げる年神(としがみ)は稲の実りをもたらす穀物神でもある。 農耕神であるクロノスもまた、自分と似た名を持つ時間を神格化した原初神クロノス(Chronos) とも同一視されるようになった。 原初神クロノスの名はそのまま「時」をあらわす単語で、現在でも同様の意味で用いられている。 そして農耕神クロノスの要素は、その多くが時間と結び付けられていった。 その手の鎌は過ぎ去った時を刈り取るためのものとなり、 「わが父を倒しわが子を飲みこんだ」神話は 「過去を刈り取り、未来を飲みこむもの」「老人にも赤子にも、ひとしく破滅をもたらすもの」 を示し、時間という存在の酷薄さとして解釈された。 クロノスの名にある意味の一つ「流れゆくもの」もまた、時の流れと結び付けられた。 黄金時代、エリュシオンの人々はまさしく「時」から解放されたものたちだろう。 また、古代ギリシャでは時間とは「世界を取り囲む大河」として認識されており、 これもクロノスの名の意味する「流れゆくもの」と結び付けられた。 同時にこの大河のもう一つの姿とされる「宇宙を取り囲む尾を噛む蛇」(*12)もクロノスと結びつけられ、 蛇はクロノスを象徴するものとなった。 こうして農耕神クロノスの名もまた本来の意味を離れ「時」をあらわす単語となり、 時の支配者としてのクロノスが成立したのである。 ○現在のクロノス 現代社会においてクロノスは「時の支配者」としてのイメージが定着している。 これはことによるとゼウスの父としてのものよりなお強いかもしれない。 人に避けられぬ破滅と永遠の安らぎをもたらす威厳に満ちた老支配者の姿は、 そのまま時間という絶対なるものの象徴となったのだろう。 現在クロノスの名はティターンの主であるがゆえの「大きな力・偉大なもの」、 時の神であることから時計などの「時間」に関わるもの、 さらにそれから発展して「精密さ」「正確さ」を象徴するものの名称などとして使われている。 1番有名なのはなんといっても太陽系最大の惑星・土星の名称「サターン」だろう。 あとは有名なのはセイコーの腕時計「クロノス」など。 【登場作品など】 クロノスは同一視されたサトゥルヌスとともに、古来から芸術作品をはじめとした創作文化にも盛んに取り上げられた。 父の身を刻みわが子を喰らい飲みこんだ暴虐さと黄金時代をもたらした偉大さをあわせもつ彼は 単なる悪役・敵役にとどまらない強烈な存在感を人々の心に刻み付けていたのだ。 最も有名なのはゴヤの絵画「我が子を食らうサトゥルヌス」だろう。 現代の創作文化においても絶大な力を持つ神として扱われることが多い。 特に原初神クロノスの要素である「時間」としばしば関連付けられる。 また絶大な力の象徴として、兵器や団体の名称にもしばしば用いられる。 この項目ではクロノス、サトゥルヌス、そして「神」としてのサターンの名をつけられたものについて扱う。 セガサターンなど、神としてのサターンの要素がない明らかに「土星」としてのサターンから名付けられたものは除外する。 ○実在のものへの名称 土星:「サターン(Saturn)」の名で呼ばれている。 クロノス(セイコー):腕時計の製品名。時計関連は他にも製品名・販売会社名・雑誌名など多数存在。 クロノス(サカタのタネ):ホウレンソウの品種名。(*13) クロノス(ダイワ):ブラックバス用竿(ロッド)の名称。 クロノス(コルグ):シンセサイザーの商品名。 KRONOS(近畿日本鉄道):名古屋鉄道の管制システムの名称。Kintetsu Rapid Operated New Orginal Systemの略。 クロノサウルス:白亜紀前期の肉食系首長竜。その巨大な顎が我が子を食らうクロノスを彷彿とさせたためこの名を持つ。 ○芸術作品 我が子を食らうサトゥルヌス(ゴヤ):個別項目参照。 我が子を食らうサトゥルヌス(ルーベンス):個別項目参照。なお、ほか多数の絵画でも同様のモチーフが取り上げられている。 我が子の一人を喰うサトゥルヌス(シモン・ユルトレル):17世紀、フランスで制作された彫像。ルーヴル美術館所蔵。 ○各種創作(本人) 女神転生シリーズ:「邪神」として、女神転生Ⅱでクロノス、ソウルハッカーズ以降で「サトゥルヌス」が登場。 ペルソナシリーズ:2では黒須淳の専用ペルソナとして登場。Qでは主人公のふたり善と玲に、さらにストーリーの根幹にかかわる重要な役どころで出演している。 聖闘士星矢Ω:刻闘士(パラサイト)らの真の主「サターン」が登場。小馬座(エクレウス)の昴に身をやつし暗躍する。 聖闘士星矢 エピソードG:ティターン神族の長として「大神クロノス」が登場。神羅万象を支配する力を持つ。 クロノスの迷宮、みらくるミルダ:時間の神として登場。前者では人類から時間を奪おうとしていた黒幕だったが、後者ではヒロインのミルダにあっさりやられてたり… GOD OF WAR:テイタノマキア後の設定で登場。パンドラの神殿を括りつけられて「死の砂漠」を彷徨っている。系譜上の孫クレイトスはその魔力の一部を与えられることで電撃系の魔法クロノス・レイジを習得可能。三作目ではタルタロスに堕ち、そこでクレイトスと対峙する。 タイタンの逆襲:最強のタイタン族として封印されていたラスボス。 セイント・ビースト:先代の大神。 足洗邸の住人たち。:バロネス・オルツィの左目に召喚された十支王「クロノス=クロノス」。これは二つのクロノスが同化したことを象徴した名前であり、時間を司ったような召喚術の力の源泉となっている。 Fairy Tail:「スプリガン12」のディマリア・イエスタはクロノスを接収(テイクオーバー)して、時を止める能力を得る マーベルコミックス:神話的種族エターナルズの一人クロノスはマーベル世界の時の支配者である。綴りは「Kronos」。出番はあんまりないがサノスに殺されたドラックスに力を与えて復活させたのはこいつ。 ○各種創作(キャラクター名) 仮面ライダーX:GOD機関の作り上げた神話怪人の一人。大鎌を操る。相討ちでXライダーに重傷を負わせるほどの強敵だったが、再生怪人の時はやられ役。 仮面ライダーエグゼイド:作中最強の敵として仮面ライダークロノスが登場。個別項目参照。 遊戯王GX:デュエルアカデミアの講師としてクロノス・デ・メディチが登場。個別項目参照。 美少女戦士セーラームーン:土萌ほたるが変身するセーラー戦士「セーラーサターン」。大鎌を持つ破滅と再生の戦士。 テイルズ オブ エクシリア2:時空をつかさどる大精霊で「原初の三精霊」の一人。分史世界を作り出した元凶。 轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊:時間を操る魔神。大神官ガジャと手を組み、かつてスーパー戦隊と戦った「邪悪な3人の巫女」の復活をもくろむ。 skullgirls:時を超越する能力を持つ女神アイオーンのパラサイト「クロノス」 DCコミックス:アトム(小さくなる方ね)の宿敵クロノスは時空を超えることができる能力を持つ。綴りは「Chronos」 クロノアイズ:時空監視局長官は「クロノス」のコードネームを代々襲名している。一方で時間犯罪者組織ハデスサイズの首領はクロノスの子の1人である「ハデス」を名乗っており…? にゃんこ大戦争:究極降臨ギガントゼウスの一人、時空神クロノスが該当する。ただし女神になっている。 ○各種創作(キャラクター名以外) 強殖装甲ガイバー:秘密結社の名称として「クロノス」が使用されている。 BLACK CAT(漫画):秘密結社の名称として「クロノス」が使用されている。 キン肉マン:超人ペンタゴンの技として「クロノス・チェンジ」がある。 クロノス・ジョウンターの伝説:梶尾真治の時間SF。 フジテレビ:2007年に放送されていた遊戯系バラエティ番組。いわゆる「逃走中」や「戦闘中」の前番組で、現在でも設定上の主催組織として「クロノス社」が名付けられている。 アルスマグナ(コスプレダンスユニット):設定上所属する「私立九瓏ノ主(クロノス)学園」。DQNネームっぽい気がしなくもない。 STAR TRECK:クリンゴン人の本拠惑星クロノス。 機動戦士ガンダムAGE:デシル・ガレットの乗る砲撃・射撃寄りMSクロノス。 マシンロボ クロノスの大逆襲:物語の舞台及びそこに住むヒューマノイドタイプのマシンロボの種族。もちろんロム兄さんもその一人。 オーバーターン:クリス・サイドウッドの乗機クロノス。高出力貫通レーザーが武器。まるでライデンみたいだぁ… マクロス30 銀河を繋ぐ歌声:主役機体YF-30 クロノス。「フォールド・ディメンショナル・レゾナンス・システム(P.D.R)」により、簡単に言えば時空を超えることができる。 追記、修正は子供たちを飲みこんでからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ???「私が世界のルールだ」 -- 名無しさん (2018-03-04 20 45 07) サクラ大戦の黒之巣会もこのクロノスが由来なのかな -- 名無しさん (2018-03-09 23 32 12) 綺麗な誠… -- 名無しさん (2018-03-17 16 06 22) ずっと時を司る神格だと思ってたけど、最初は農耕の神さまだったのね。 -- 名無しさん (2022-01-02 12 31 36) ローマ神話とギリシャ神話で負けたあとの展開が異なるお方 -- 名無しさん (2022-11-18 03 11 29) 名前 コメント
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登録日:2015/12/11 Fri 10 46 16 更新日:2023/09/20 Wed 22 19 54NEW! 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 アニヲタ神様シリーズ オリュンポス十二神 ギリシャ神話 ゼウス被害者の会 ディオニュソス ニーチェ 不幸 救い主 演劇 狂神 葡萄 葡萄酒 酒 酒神 酔いどれ 酩酊 「ディオニュソス」はギリシャ神話に登場する神の一柱。 【概要】 一般的には酒の神。 より正確には、葡萄酒と豊穣と序でに酩酊と不死と演劇の神。 葡萄の木を見つけ出して葡萄酒の製造法を見つけた神として語られる。 木蔦や葡萄の蔓を巻きつけ、先端に松かさや松露を取付けたテュルソスの杖を象徴とする。 これは信徒達の持ち物でもあり、岩からは清水を、大地からは葡萄酒を湧き出させたと云う。 後のイメージ的には酔いどれで陽気な親父みたいな印象を付けられていたりもするが、元々のディオニュソスは黄金の髪の青年である。 かなり特殊で複雑な経緯を経てギリシャに信仰が入り込んだ(復活した)神と考えられており、かなりの割合でオリュンポス十二神にも組み込まれる程に神格が高い反面、非常に謎の多い神でもある。 名前の意味は神話に併せて「二度生まれた者」とされたりもするが、原義的には「若きゼウス(天主)」とされる。 ギリシャのゼウスやポルトガルのデウスとは、セム語系民族のエルと同じく「神」や「主」の意であり、後には神の呼び名としても使われた。 即ち『神統記』を基本としたギリシャ神話とは、本来はゼウス(王)の主権の成り立ちと正統性を説明した記録と云う事である。 日本では古事記みたいなもんである。 神統記にもそう書かれている! ……欺瞞!! ローマ神話にも採り入れられたバッコス(英 バッカス)の異名でも知られるが、本来はディオニュソス自身の名では無く、山野でディオニュソスを信仰する秘密集団の信徒達の通称(バッコイ)が転じた物。 この事からも、如何に酩酊の密儀がディオニュソス信仰の基盤となっていたのかが窺える。 この密儀は獣の皮を纏った信徒によるドラマチックな演劇の様な形式で行われていたらしく、それが後に都市に入り込んだ際には舞台上で演じられる様になった。 このディオニュソス密儀からギリシャ悲劇やギリシャ喜劇が発展していったのだと云う。 ここから、ディオニュソスは演劇の神とも呼ばれるようになった。 【出自】 古くから(紀元前12世紀以前)ギリシャにも名が記された神ではあったが、本格的な信仰の流行はかなり後の時代(西暦前後)に東方やローマより伝来したとされる。 ギリシャ神話内では父はゼウス、母はテバイ王カドモスの娘である王女セメレ。 セメレの母であるハルモニアの父であるアレス、母であるアフロディーテ、そしてアレスの母であるヘラの血も引いている。 よって、本来は半神半人の立場なのだが(*1)、生まれる以前に母のセメレが神々の女王ヘラの嫉妬による奸計(※ゼウスの神としての真の姿に触れさせた)に嵌り灼け死んだ為に、母親の遺灰の中から胎児を拾い上げたゼウスが自らの太ももに縫い込んで成長させた。 この事でディオニュソスは神と同じ者になったとされる。 ディオニュソス信仰はかなり広範な地域に広がっており、それがギリシャ神話では「ヘラの迫害を逃れてインドから中近東、果てはエジプト、アフリカにまでいたる諸国を放浪した」とするエピソードとして伝えられている。 ローマでも熱狂的な信仰が興ったが、祭事の狂乱と酩酊の様を危惧した元老院による弾圧を受けたとされる。 密儀の神としてのディオニュソスはこの時にギリシャに入り込んだとも考えられており、他の地域の神々とギリシャの神々の融合も進んだ。 また、トルコ中部フリュギアの女神とされ、信者が去勢により陰茎を捧げた事で知られる大地母神キュベレとも関係が深く、放浪先でディオニュソスがキュベレより葡萄酒の製造法と密儀を伝授されたとも、逆に密儀をキュベレに授けたともされる。 これは、死から再生するディオニュソスがキュベレの愛しい息子にして配偶者であるアッティスと同一視された為であり、後にキュベレがオリュンポスの神々の母レアと同一視された事から、レアをディオニュソスの第三(二)の母とする神話も生まれている。 ※ただし、ギリシャには女装はともかく去勢までは入り込まなかったらしい……技有り~♪ 配偶者は最近ではゲイ術的漫画でも有名なテセウスさんに捨てられた(事にされた)アリアドネ。 ディオニュソスは神々の一柱に引き上げられる直前に旅路の果てに冥界王ハデスと面会して母のセメレを復活させる事をゼウスに許されており、こうしてセメレもまた神になったと云う。 ヘラ「SHIT!!」 妻のアリアドネもまたゼウスから神と同じ不老不死の祝福を与えられたとされる。 かなり優遇された扱いだが、実は彼女達は古くより土着で信仰されていたがギリシャ神話には組み込まれなかった古い女神であり、ある意味での神格の復活だったと言えるのかもしれない。 ……別の神話ではディオニュソスの前身はザグレウスなる幼児神で、ゼウスが母レアと交わりペルセポネを産ませた後に、蛇に化けてペルセポネと交わり、ザグレウスを産ませたとされる。 或いは、単に姉のデメテルとの間に産まれた子という説もある。 ……怒涛の近親相姦三連発である……今更ながらたまげたなあ。 何でこんな複雑な事になっているかと云えば、ザグレウスとディオニュソスもまたアポロンやアドニスと同様に古代メソポタミアが起源と考えられる死と再生を物語とする植物神の系譜の神性の為。 事実、エジプトでは同じ系譜に属するオシリスと同一視されている。 レア(キュベレ)、デメテル、ペルセポネは彼らの配偶者たる豊穣の女神であり、ゼウスは天の理を擬人化した存在だからである。 【神になるまで】 母セメレがヘラの嫉妬により殺されただけには留まらず、ディオニュソス自身も命を狙われた。 これに纏わる神話は大きく分けて二つの流れがあるが加害者はいずれもヘラである。 ■親族皆殺し編 ゼウスはセメレの妹イノにディオニュソスを託し、イノはディオニュソスを男の娘として育てた……きっとカムフラージュだよね! イノ「デュフフ……ブロンドかわいい」 夫のアタマスもそれを知りつつ協力していたが、夫を止める力は無いが浮気は許さないウーマンのヘラは報復としてアタマスに狂気を吹き込み、息子のレアルコスを殺させ( あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!白い鹿だと思って狩ってみたら息子だった!な…何を言っているのかわからねーと思うが…嫉妬だとか夫婦喧嘩とかチャチなもんじゃあ断じてねえ…もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…)、更にイノと娘のメリケルテスまで襲いかからせた! 哀れ母子は、夫の手を逃れるべく海に身を投げる事になってしまったと云う……。 …最もイノとて「アルゴー号の冒険譚」の切っ掛けになった「金の羊」の挿話では、夫が先妻との間に設けた兄妹をいびり倒し、ヘラクレスと金の羊がいなければ殺されていた所まで追いつめていたが。 少なくともイノ夫婦に関してはある意味因果応報とも言える。 尚、もっと酷いパターンではイノまでもが狂気に捉われ、レアルコスを鍋で煮て喰っている……本当は怖い○○シリーズギリシャ編である。 この後のディオニュソスの行方についても諸説があり、ゼウスが鹿に変身 させて逃がした後にニンフ達に預けられたとか、ディオニュソス自身も狂気に捉われ、各地を放浪した後にキュベレに救われたとする物がある。 自分を育てたニンフ達と共に葡萄酒と酩酊を広める旅に出たとの説もあり、これは前述の密儀集団の発生を語ったものであろう。 ■赤ん坊八つ裂き編 「ディオニュソス=ザグレウスの神話」と呼ばれる物語である。 ゼウスには自分の後継者と決めたザグレウスなる息子が居たが、それが自分の生んだ子ではなかった事で嫉妬に狂ったヘラは玩具で赤子を外に誘い出すと、ティターン族に襲わせた。 ティターンは赤子を八つ裂きにして火で炙り、または鍋で煮込んで喰ってしまった。 しかし、これを救ったのがレアであった。 レアは哀れな赤子の骨を拾い集めて復活(ディオニュソス)させると、密儀を授けたと云う。 また、赤子のザグレウスが引き裂かれる場面を描いたレリーフも残る一方、ザグレウスはティターンの手から逃れる為に様々な動物に変身した末に牡牛に化けた所で捕まり、八つ裂きにされて食べられてしまったともされる。 この信仰は密儀に残り、ディオニュソス(ザグレウス)を牡牛と呼び、狂乱の中で獣の皮を蛇の腰紐で纏った女性信徒がディオニュソスの化身たる牛の群れに襲いかかり、これを素手で引き裂いて喰らい“神”との合一を目指したと語られている。 ……このザグレウス神話は後にセメレの神話と習合させられたらしく、其方では前述の様にレアから複雑な経緯を経てザグレウスが誕生した後にティターンに八つ裂きにされた赤子の心臓をアテナが回収した事になっている。 アテナより事の次第を聞いたゼウスは雷でティターンを滅ぼすと託された息子の心臓を呑み込み、後にセメレに宿った子供(ディオニュソス)としてザグレウスは転生したと云う。 後にディオニュソスは天界に迎えいれられる事になった訳だが、自らを苦境に立たせ続けた継母のヘラとも和解している。 ヘラが身勝手にも棄てたヘパイストスの黄金の椅子に拘束された時に、ヘパイストスを酔わせて丹念に愚痴を聞き、説得を受け入れさせたのである。 これにより、ヘラの愛されなかった実子と最も憎まれた継子は親友同士になると共に、ヘラからの赦しも得たと云う……いや、クズすぎんだろ大女神。 一方、ヘスティアさんには泣いてたらオリュンポス十二神の地位を譲って貰ったとされる……ホンマもんの女神や。 【密儀】 既にギリシャ神話の神々のエピソードではお馴染みとなって来たが、ディオニュソスにも暗い神話が残る。 ディオニュソスは放浪の途中でアッティカ地方の農夫イカリオスに歓待された事に感動し、彼に葡萄の木と葡萄酒の製造法を伝授した。 イカリオスは言われた通りに葡萄の木を栽培して葡萄酒を作ったが、余りの美味さに感動。 純朴な彼は早速それを隣人達にも振る舞った。 しかし、悲劇はここから始まった。 葡萄酒の余りの美味さ、或いは飲み方が判っていなかった村人達は激しく悪酔いした。 それをイカリオスが毒を飲ませたと思い、彼を殺してしまったのだ。 それを見た娘のエリゴネはショックで首を括り父の後を追った。 ……その後、村では疫病が流行ったり、若い娘が狂った振る舞いをしたり、首を括ってしまう事件が相次ぎ、託宣により原因が半神であるディオニュソスの祟りである事が判った。 村人達はディオニュソスに帰依すると共にイカリオスの死を悼み、葡萄の栽培と葡萄酒作りを引き継いだ事で土地は葡萄酒の産地となったと云う。 エウリピデスの悲劇『バッコスの信女たち』では、テバイ王ペンテウスの残酷な末路が描かれている。 自分の母をも含む女性達を酒で狂わせ、狂信的行動に陥らせた導師(ディオニュソスの化身)を捕らえるも奇跡により脱出される。 祭儀に踏み込んだペンテウスだが、酩酊と狂乱の中に居た女性信徒達により犠牲牛の如く引き裂かれてしまうのだった。 ちなみにペンテウスはディオニュソスの母方のいとこにあたり、作中ではセメレの姉妹でペンテウスの母だったアガウエーすら息子に襲い掛かり、子殺しをしてしまった。 ディオニュソスの密儀は基本的に女性のみに限られ(こればっか)、男性が参加するには女装しなければならかったと云う……背負い投げ~♪ この死と再生の密儀は後に冥府より帰ったアポロンの血を引く詩人オルフェウスを主宰神とするオルフェウス密儀に引き継がれた。 オルフェウスは冥府より帰った後にトラキアに落ち着き同地の女達に愛されたが、妻への未練から愛情を受け入れようとしない事に業を煮やした女達に身を引き裂かれて殺されたともされている。 一説には、これはディオニュソスに命じられたバッコスの信女の仕業だと云う。 引き裂かれたオルフェウスの遺体はエーゲ海に流されたが、首と竪琴はレスボス島に流れ着き、そこで予言の神として祀られたと云う。 ……これは、共に旧時代の密儀の主催神であり、ニーチェにより対照的な神として考察されたアポロンの理性とディオニュソスの熱狂の信仰の合一を顕しているともされる。 また、オルフェウス密儀では東方的な輪廻転生の思想が含まれている。 これは、元々のギリシャには無かった魂の循環に基づく世界観による教義である。 追記修正は葡萄酒の飲み比べに勝利して生肉を喰らいながらお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ギリシャ風・酒池肉林の宴 -- 名無しさん (2015-12-11 11 33 18) 最近ギリシャの神々をよく作成している人には乙としか言いようがない。チンの毒酒をおごってやろう。 -- 名無しさん (2015-12-11 22 52 32) 自分の信仰が公序良俗に反するから取り締まったペンテウス王を実の母と叔母に殺害させたことを忘れてはいけない。この酔っ払い親父もやはりオリュンポスの残酷な気まぐれで人を死に追いやる -- (2015-12-12 00 50 55) アリアドネについても色々説があるしなぁ。テセウスを酔わせて置いて行かせるよう仕向けたってのもあるし。 -- 名無しさん (2015-12-13 01 08 50) ヘラがヘファイトスのイスに縛られた時、溶鋼を浴びせかけられて逃げ帰ってきたアレスの代わりに説得しに行ったのはデュオニソス。結果ベロンベロンに酔わされて酩酊状態になったヘファイトスをオリュンポスまで連れてくることに成功している -- (2015-12-13 01 11 18) イカリオスが飼ってた仔犬はのデュオニソスによってこいぬ座になりました。 -- 名無しさん (2016-10-09 20 06 53) ???「ドーモ、ディオニュソス=サン…いや、バッカス=サンだったか?…整理しよう」 -- 名無しさん (2016-10-11 00 14 06) ディオニュソスの母はヘカテー・ペルセポネ・コレー・デメテル・レイアとか色々呼ばれてきたらしい。ダリナンダアンタイッタイ -- 名無しさん (2017-02-25 11 34 43) ディオニュソスは自分の中でメガテンのが強いのか、青年のイメージだった… -- 名無しさん (2019-06-24 10 10 35) アリアドネは死後ディオニュソスに冥界から救い出されて織物の女神になった(?)って海外wikiに書いてあったなー -- 名無しさん (2022-01-09 18 16 34) よくヘラ様が許したな。 神になったら怒りが薄れるんだろうか。 -- 名無しさん (2022-01-09 18 45 16) げに恐ろしや女神の嫉妬(大神の浮気も) -- 名無しさん (2022-06-13 17 44 12) 名前 コメント
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